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2024年8月24日

学術論文「南海トラフ地震時の断層破壊伝播における断層岩の物性の影響の定量的評価」

学術論文「南海トラフ地震時の断層破壊伝播における断層岩の物性の影響の定量的評価」  当専攻の廣野哲朗教授の研究成果がElsevire刊行の科学誌「Tectonophysics」に掲載されました。  

概要:南海トラフ地震が発生したときに、プレート沈み込み境界断層がどの程度滑るのかを事前評価することは、津波の規模推定および防災・減災において極めて重要です。そこで本研究では、プレート境界断層を構成する物質の性質とその場の間隙水の水圧の条件に着目して、数値解析を実施しました。その結果、断層岩のタイプ(構成する鉱物の種類など)によって、摩擦係数と間隙水の水圧上昇率が大きく異なりました。すなわち、南海トラフ地震が発生した時、断層岩のタイプによって、破壊伝播の複雑性と多様性の原因になりえることを意味します。  

論文情報:Tsuda, K. & Hirono, T. (2024) Fault rock properties and conditions produce variance in slip during earthquake rupture propagation at the Nankai Trough. Tectonophysics, 890.  

リンク先:https://doi.org/10.1016/j.tecto.2024.230483