一町 ほのかさん

自分を信じ粘り強く取り組めるのは、理学部での学びのおかげ

一町 ほのかさん

大阪市立大学大学院理学研究科 数物系専攻 修士課程修了(2020年3月卒)
日清紡マイクロデバイス株式会社 池田事業所
電子デバイス事業統括本部 開発本部 EM設計部 EM設計六課

回路設計は開発フロー全てに関わる
やりがいのある仕事

半導体メーカーの日清紡マイクロデバイス株式会社で、リチウムイオン電池の保護ICの回路設計を行っています。パソコンやタブレット、スマートフォンなど、身の回りの電子機器に使用されているリチウムイオン電池には発火などの危険性があり、それらを防ぐために必要なのが保護ICです。安全で快適な生活を送るために欠かせないアイテムとなっており、保護ICの回路設計は製品の開発フロー全てに関わる大変やりがいのある仕事です。
私が、B to Bの半導体メーカーを就職先に選んだのは、ものづくりのベースである最小部品を取り扱っていて、何か問題が起きても自分たちの力で原因を追究できるというところに魅力を感じたからです。この1月からは、日清紡グループの子会社2社が統合し、日清紡マイクロデバイス株式会社になりました。同じグループ会社として以前から交流はありましたが、会社の規模が大きくなり、技術者の数も増えたことで、今後、どんな事業が展開されていくのか楽しみです。両社の強みを活かし、更なる成長をめざしていきたいです。

一町さんインタビューシーン

一町さん実験シーン

一町さんインタビューシーン2

研究者同士のぶつかり合いは、とても刺激的でした

大学で物理学科を選んだのは、自然現象を理論的に説明するうえで、最も根源的な学問だと思い、魅力を感じたからです。ミクロな世界とマクロな世界、低エネルギーなものと高エネルギーなものなど、対極なもの同士が同じ理論でつながっていることを知って感動し、物理をやっていてよかったと心から思いました。
特に印象に残っているのは3回生の実験発表会です。市大の物理学科ならではの取り組みで、自身が実施した学生実験について、その背景や結果、理論、考察を発表します。学会発表さながらの緊張感があり、学部生にとっての一大イベントでしたが、終わった後は講義室での打ち上げがお決まりで、そこで一気に先生方と仲良くなれました。
大学院時代に楽しかったのは「南部アインシュタインセミナー」という宿泊イベントです。教員、学生がお互いの研究内容について発表し、夜通し活発な議論を行い、研究者同士の交流を深めます。研究分野や学年といった垣根を超えた、研究者同士のぶつかり合いはとても刺激的で、参加希望の学生も多く、人数制限がかかるほど人気がありました。

一町さん教壇シーン

理学部での学びが自信につながっています

社会人1年目のとき、仕事でなかなか結果が出ず苦しい時期がありましたが、自分を信じて粘り強く進め、成果へとつなげることができたのは、これら理学部での学びのおかげだと思います。仕事で数式を処理することもありますが、大学ではもっと複雑で難易度の高い数式を扱っていたこともあって、スラスラと計算することができ、自信にもつながっています。
学び以外には、子供の頃から一度やってみたいと思っていた軟式野球のサークルに入ったことも良い思い出です。私以外は全員男子でしたが、最終的にはキャプテンも務めさせてもらいました(笑)。

どんな経験も自分の力になり財産になります

大阪市立大学は単に少人数制であるということだけでなく、先生の方から積極的に学生一人ひとりの名前と顔を覚えようとしてくださりました。大阪公立大学になっても研究分野にとらわれず、お互いの研究や人柄を理解しようとする風土は今後も継続されていくと期待しています。
受験生の皆さんは勉強が大変で心が折れそうになることもあると思いますが、その気持ちも大切にしつつ、なるべく視野は狭くならないようにして、未来の自分に想いを馳せながら頑張ってください。どんな経験も自分の力になり、財産になっていくと思います。

一町さん対談シーン

日紡マイクロデバイス株式会社ってこんなところ

2022年1月1日、新日本無線株式会社とリコー電子デバイス株式会社が統合し、新しく日清紡マイクロデバイス株式会社として誕生しました。両社が持つ豊富な実績である、電源IC、オペアンプ、Li電池保護ICなどの標準品、PMICや信号処理系の高機能LSIに加え、長年培ってきたマイクロ波技術を用いたコンポーネント製品など、環境に優しい多彩な製品ラインナップでお客様のご要望に応えます。日清紡グループの企業理念である「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」に基づき、アナログ技術を強みとした電子デバイスとマイクロ波製品を通じてアナログソリューションを提供し、世界中の顧客から期待される価値と存在感ある企業をめざしています。