最近の研究成果 (2)

2-1. シスチン欠乏によって引き起こされるフェロトーシスの制御

ヒトの脳腫瘍の中でも最も悪性度の高い神経膠芽腫(グリオブラストーマ)の細胞は、周りの環境からシスチンが欠乏するとフェロトーシスを引き起 こします。この膠芽腫のシスチン欠乏時におけるフェロトーシスは、細胞内の還元型グルタチオンレベルの枯渇と、鉄の貯蔵に関わるフェリチンがリソソームでの分解(ferritinophagy)が同時に起こることが必要であることを明らかにしました (Hayashima et al., 2021)。

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一方、神経膠芽腫細胞が高密度で存在すると、シスチン欠乏によるフェロトーシスが起こりにくいことを見い出しました。さらに、このような神経膠芽腫細胞のフェロトーシス耐性には、細胞外におけるγーグルタミルトランスフェラーゼ1(GGT1)を介したグルタチオンの分解が関わっていることも明らかにしました (Hayashima and Katoh, 2022)。

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