New materials create new physics

Our laboratory investigates molecule-based materials to create new functionalities of electron spins. Based on isotropic nature of organic radical spins, emergence of novel quantum phenomena is expected. We synthesize various magnetic lattices through molecular design and perform physical measurements at low temperatures and in magnetic fields, aiming to observe new quantum magnetic states.

磁性体の持つ磁気的性質の素(もと)は,有機ラジカルや遷移金属イオンの上に棲んでいる電子スピン達です。 電子スピンは純粋に量子力学的な量であるものの、どのような方向にも自由に向きを変えることができる小さな磁石として考えることができます。 一方、スピン量子数が小さく、かつ周囲に磁気的に結合できる仲間が少ない(低次元的な)ときや、スピン間の相互作用が競合する(スピンがフラストレーションを感じる)ときは、 電子スピン達が量子力学的な本性を現します。 このような量子スピン系では、 不連続に状態を変える量子的なスピンの性質を反映して,小さな磁石の集まりとして考えてしまうと説明の出来ない性質を示します。 量子スピン系を定量的に評価することは、超伝導体等のマクロな量子現象の理解、さらには新奇な現象の発現を目指す上で、非常に重要な研究です。 

分子磁性研究室では、 有機ラジカル分子や遷移金属イオンを用いて、新規量子スピン系の合成を行い、新たな基底状態や相転移などの物理現象の発見を目指しています。分子の設計性を利用して磁性体の階層構造を制御することで、スピン空間構造を制御します。量子磁気状態を巨視的および微視的物性測定によって明らかにし、量子化機構を解明することは、電子のスピン自由度を生かしたデバイスの開拓にもつながると考えています。

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