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分野:非線形物理学

非線形物理学では線形な方程式では表しきれない多様な現象を取り扱います.非線形性は複雑な時系列や美しい構造など豊かな現象を生み出すことでも知られています.生き物や社会現象など,いわゆる普通の”物理”では相手にしなさそうな対象を取り扱う柔軟さもあります.研究を進める上で,理論や数値モデルも大事なツールですが,実データの解析も重要です.


対象:

    1. 多様な要素からなる系 英語の文章を構成する単語は多様であり,その出現頻度(いわゆるサイズ)とランク(累積頻度分布)の間にべき的な関係ーいわゆるZipf則ーが成り立つことが知られています.同様の法則は様々な言語の文章だけでなく,人名の多寡,富の分布,地震の規模,破壊現象における破片の大きさなど様々な形で報告されており,多様な要素から構成される系に特有な統計則の一つと言えるでしょう.我々は,多様な要素から構成される系を解析し,統計則の拡張や,より一般的な法則の探求と解明を目指しています.
    2. パターン・リズム形成現象 自然現象の中には様々なパターンやリズムが見出されます.測定機器や解析手法の発達によって新しいデータやより詳しいデータが比較的容易に入手できるようになってきています.実際のデータを解析することで,それを生み出すメカニズムを解明することを目指しています.例えば,GPSや慣性センサーを生物個体に取り付け,その記録から生物がどこをどのように運動していたかを推定することは興味深い問題の一つです.
    3. ネットワーク ネットワーク(あるいはグラフ)とはモノとモノのつながりを数学的に表現したものですが,実在する例の一つに家系図があります.これは生物個体間の親子関係を表したものであり,我々は誰でもその構成要素の一つです.そして,このネットワークは極めて複雑な構造を持つことが知られています.我々は,モデルおよび実データを用いて,家系図ネットワークの構造解析を行なっています.

手法:

実データの解析や理論モデルの解析,いずれにおいても計算機を多用します.主にC言語やpythonなどを用いています.解析するデータは公開されているものを収集したり,自分で作成したりします. 写真測量法による3次元イメージの構築と解析も試みています.(サンプル1,2