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2021年4月22日
本研究センター共同研究員の宮脇幸生教授編著の『グローバル・ディスコースと女性の身体-アフリカの女性器切除とローカル社会の多様性』が出版されました。
同じく共同研究員の東優子教授もコラム「男子割礼/包皮切除」を執筆されています。
女性器切除(FGM)について言葉は知っているけれど実態はよく知らない、フェミニズムや国際的な廃絶運動の動きは聞いたことがあるけれど、現地の社会の文化や慣習との関係はどうなっているのだろう、など、このテーマをめぐっては尽きせぬ疑問をもつ人も多いでしょう。基礎的な知識から豊富な事例まで網羅されており、入門書としても専門書としても読める一冊だと思います。
アフリカ社会の調査にもとづいた事例が多く取り上げられていますが、実は男性の割礼や美容整形とも関わっていることが指摘されています。遠い国のお話なのではなく、わたしたちが自分たちのいる場所でジェンダーの問題として考えるテーマとつながっていることにも気づかされます。
「実際にアフリカのそれぞれの地域で、その地域に生きる女性たちとかかわりを持ってきた私たちとしては、ひとりの人間として、地域の女性たちの幸せな生活のためには、それぞれの地域でこの慣習に対して、どのように向き合うべきかを、丁寧に考える必要があるのではないだろうか。それが、私たちに求められている倫理であるはずだ。」(140頁)
著者の言葉を引用させていただきましたが、「多様性」をどのように考えていくのか、多くの手がかりが得られるのではないでしょうか。ぜひ多くの方に手に取っていただきければと思います。
内藤葉子
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