研究室のメンバー

牧岡 省吾 (教授)

ms

認知心理学・認知科学の魅力の一つは、ヒトという種を相対化して観ることができることにあります。ヒトの世界認識や知性はどのように制約されているのでしょうか?

もう一つの魅力は、世界認識に関わる問題に、情報処理という観点から具体的にアプローチできることです。知性の成立に意識は必要なのでしょうか?意識、とくに感覚の質感(クオリア)は、何らかの機能を担っているのでしょうか、それとも単なる随伴現象なのでしょうか?

これらの問いに少しでも近づくことを目指して研究を続けてきました。現在は、共感覚現象の自己組織化学習による説明、世界/身体モデルによるアクセス意識の説明を中心的なテーマとしています。

森本 優洸聖 (博士後期課程修了 客員研究員)

my

「私たちの知覚世界は、物理世界とどう違うのか?また知覚世界と物理世界が異なることで私の行動に有利,不利があるのか?」を問に研究をしています。具体的には系列依存性と応答プライミングという現象を研究しています。これらの現象は、直前の刺激によって知覚、反応、意思決定がどのように変化するかを示します。系列依存性は知覚内容の変化、応答プライミングは運動反応の変化を捉えられます。また現在は製造業で勤務しており、作業現場での安全性向上や効率的な技術習得支援の方法などを考えています。

橋本 拓磨 (博士前期課程2年)

ht

ヒトの心や認知は複雑で、一見すると魔法と区別がつかないようにさえ思えます。しかし、認知科学の先達はヒトをひとつの情報処理システムとして捉えることで、多くの知見を蓄積してきました。私はこの営みに強い魅力を覚えます。 現在は、知覚が過去の知覚に影響される現象である系列依存性について研究しています。系列依存性は幅広い特徴に対して生じます。不良設定問題であるといわれる外界の推定を、“上手く”行う、ヒトの情報処理の性質を如実に反映した現象であると考えられます。

丹羽 晴香 (博士前期課程1年)

nh

私は,身体性認知を研究テーマにしています。
多くの人は,記憶や思考、理解、判断などが脳によるものだと考えていると思います。しかし,生物は身体を用いて世界と相互作用しているため,身体から受け取る情報やその処理が認知に与える影響を考えることは非常に重要です。
私は,身体(特に手)の運動を制限したときに,関連する概念の認知に影響が生じるかどうかを実験しています。この研究を通じて,身体と認知の関係をより深く理解したいと考えています。