系列依存性

系列依存性

系列依存性とは、直前の知覚が次の知覚に影響を与える現象です。たくさんの点が散らばった画面を一瞬だけ見て点の数を推定して答えるとき、直前に見た画面で点の数が多いと、次に答える数が大きい方に引っ張られることが分かっています。これを正の系列依存性と呼びます。私達の研究室では、修了生の森本優洸聖さんと大学院生の橋本拓磨さんが系列依存性の研究を進めています。これまでに、たくさんの硬貨が含まれる画面を見て総金額を推定するときに系列依存性が生じること、硬貨の枚数や金額の推定において、直前の画面に含まれる刺激だけでなく答えた値が次の回答に大きな影響を与えることなどを明らかにしました。このような研究成果は、私達の生活において「情報が提示される順序」が判断に無視できない影響を与えていることを意味しています。

morimoto

関連する研究業績(論文):

Morimoto, Y., & Makioka, S. (2024). SResponse boosts serial dependence in the numerosity estimation task. Scientific Reports, 14, 2059.

Morimoto, Y., & Makioka, S. (2022). Serial dependence in estimates of the monetary value of coins. Scientific Reports, 12(1), 20212.

関連する研究業績(学会発表):

Morimoto, Y., & Makioka, S. (2023).Impact of past answer on serial dependence in numerosity perception, CogSci 2023.

橋本拓磨,森本優洸聖,牧岡省吾(2023).聴覚における系列依存性,日本認知科学会第40回大会.