ニュース

2024年12月5日

世界で初めてネコES細胞の樹立に成功した論文が公開されました。

当研究室では、再生獣医療への応用を目指し、ネコiPS細胞の樹立を試みてきました。一方、胚性幹細胞(ES細胞)は、iPS細胞と同様にさまざまな細胞に分化でき、また自然に近い状態の細胞であることが特徴です。そのため、iPS細胞の品質を向上させるためにも、ES細胞の研究は必要不可欠です。しかし、これまでネコES細胞の樹立はなされていませんでした。

そこで吉田さんらは、猫の去勢・避妊手術で廃棄される、精巣や卵巣から採取した精子と卵子を体外受精させて受精卵を作製。胚盤胞期胚から内部細胞塊を取り出し培養することで、未分化状態のまま継代でき、三胚葉への分化能力のある高品質なネコES細胞の作製に世界で初めて成功しました。本研究で開発したネコES細胞作製技術を応用することで、獣医再生医療研究に使用するだけでなく、絶滅が危惧される野生ネコ科動物の種の保全に繋がることが期待されます。

本成果は2024年12月2日に国際学術誌「Regenerative Therapy」のオンライン速報版に掲載されました。 →リンクはこちら

また、大阪公立大学からプレスリリースされました。 →リンクはこちら

ネコES細胞