大阪公立大学は2022年4月の開学以来、多くの学内外の関係者、大阪市民・大阪府民のご理解とご支援により、開学4年目を迎えました。大阪市立大学と大阪府立大学の統合により誕生した本学は、両大学で長年培われた各学問分野の強みを継承しつつ、学際的な融合を促進し、新たな学術領域や知的価値の創造に挑戦しています。さらに、日本最大の公立総合大学として、国際水準の研究・教育の推進と、都市機能の持続的な発展を支える高度学術拠点としての役割を担っています。
本学は、開学当初より、大阪公立大学憲章に掲げた理念のもと、未来を見据えた将来像を描き、その実現に向けた具体策の検討を進めてきました。辰巳砂前学長のもと、大学執行部と大学の将来を担う若手研究者が中心となって、学内外の意見も取り入れつつ議論を重ね、2024年2月に「大阪公立大学vision 2030」の策定を行いました。そして本ビジョンに基づき、研究環境のさらなる充実と国際競争力の強化に取り組むとともに、時代の要請に応じた研究教育システムの高度化、組織ガバナンス改革を推進し、柔軟で持続可能な大学運営を実践しています。
現代社会は、価値観の多様化が進むなかで、国際情勢や技術革新をはじめ、あらゆる側面において先を見通すことが難しい時代へと変わってきています。不確実性の高まるなか、社会から大学に求められる役割や教育のあり方そのものも大きく変容しつつあります。こうした変革の時代において、前進を続けるためには、変化に柔軟に対応し、課題の本質を見極め、主体的に道を切り拓く姿勢が不可欠です。本学は、高度な専門性を土台に、異なる文化や分野を超えて社会課題の解決に協働できる人材を育成するとともに、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指しています。
本ビジョンの確実な実現を図るとともに、これを重要なマイルストーンと位置づけ、さらに数十年先の未来を見据えた中長期的な視点からの成長戦略として継続していくことが求められます。
大阪公立大学は、知と人を育む学術研究拠点として、地域と世界からの信頼に応え続ける大学でありたいと願っています。この実現には、自治体や地域住民の皆様、産業界、同窓生をはじめとする多くの関係者の皆様のご理解とご支援が不可欠です。今後とも、大阪公立大学の成長・発展に向けて、変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年4月