アクションプラン

Vision.01

Co-creation with Society

大阪に根差した日本で最大規模の公立大学として、行政および各種コミュニティ、産業界との連携を強め、大学の知を地域の様々な課題解決のために活用し、人々の健康と福祉、そして文化的生活の向上に貢献します。

Action plan

  • 01

    イノベーションアカデミー事業※1

    推進による産学官民共創の展開

    産学官民が課題を共有し、解決に向けて共創するイノベーションアカデミー事業を全学的に推進することにより、大学の知を社会・地域産業と接続し、大学が都市シンクタンクとしての機能を果たすとともに、地域のイノベーション・エコシステムの中心となります。新たに開所する森之宮キャンパスにおいてはスマートキャンパスを実現するため、キャンパス自体をリビングラボとしてモデル実装や社会実装※2実験を行います。

  • 02

    スタートアップ支援の充実と
    地域課題解決への活用

    インキュベーション施設や自治体による支援組織と連携し、スタートアップ支援の専門家とのマッチング強化や施設確保、金融機関やベンチャーキャピタルとの連携による資金調達促進など、スタートアップに対する支援を充実します。また、社会課題解決型スタートアップの活用により、地域貢献を図ります。

  • 03

    キャンパスの開放とライフステージに応じた

    教育プログラムの提供による生涯学習の充実

    生涯学習の中心拠点としての各キャンパスの有効活用を通じて、社会人のリスキリングに限定されない、ライフステージに応じた多様な学びの場を提供します。それにより、若者からシニア世代までが知の森である大学に集い、互いの学び合いを通じて得た知的達成を、再び地域社会とも共有する相互循環を実現します。

  • 04

    図書館機能の充実と大学関連資料の

    保存による知のアーカイブ化の推進

    総合知を支える基礎的資料を保有し、知の共有・還元を行う場として、図書館機能の充実を図ります。また、保存と学びが共存し、展示等を通じた教育研究普及活動を推進する場としての博物館構想の具体化を行います。加えて、大学史資料室が主体となり、博物館・文書館としての機能拡充を図ります。

  • 05

    持続可能な社会の実現に向けた
    新たな教育研究組織の設置

    SDGsに関するPBL(Project-Based Learning)、国際SDGs演習プログラムを推進するとともに、SDGsを通した高いレベルの社会貢献を行う新たな教育研究組織の設置を目指します。

※1 イノベーションアカデミー事業では、産学官民共創リビングラボ機能を大学のすべてのキャンパスに配置しネットワーク型イノベーション・エコシステムの構築を目指します。ここでは、産学官民が共創して社会課題の本質について議論し、組織を越えたステークホルダー連携による課題探求と課題設定を行い、その解決に向けて社会実装を想定したプロジェクトをデザインしマネジメントを行い、リビングラボを利用した実証実験/社会実装を推進することによって、総合知の活用による新社会のデザイン、新しい価値の創造を強力に後押しします。

※2 得られた研究成果を社会問題解決のために応用、展開すること。

Vision.02

Education

高度な専門性と広い学際性の両面から物事の本質を問う力と課題を解決する力を有し、他者と協働しながら未来社会をデザインできる人を育てます。

Action plan

  • 01

    専門教育の充実と
    分野横断・異分野融合教育の推進

    学士課程では、問題を発見し、評価し、解決する基本的な能力を養うための基幹教育・専門教育を行います。また、3年次生以上を対象とする学部横断科目「高年次ゼミナール」を開講し、分野や国籍を越えた知的交流を促進することで、専門分野を土台としつつ、学際的な視点に立って課題解決に取り組むことができる人を育てます。大学院教育では、高度な専門性に加え、総合知を活用した学理の探究力・実践力を育むとともに、社会課題学修を含めたコースワークの一層の充実を図ります。

  • 02

    オンラインと対面の
    ハイブリッドな教育による学習効果の向上

    カリキュラム、授業の形態(講義・演習・実習)を考慮した上で、ポストコロナにおけるオンライン教育と対面教育のベストミックスなあり方について研究し、具体化するとともに、オンライン授業を活用し、国内外の大学と共同して最先端の国際教育プログラムの開発を進めます。

  • 03

    実践的データサイエンス教育による

    デジタル技術・データ活用スキルの涵養

    膨大なデータを正しく分析し課題解決に活用できる人を育成するため、すでに全学的に提供している数理・データサイエンス・AI教育プログラムのさらなる充実と、履修率の増大を図ります。
    また、大学が自治体及び企業との協働により実施する社会課題解決を目指した実践的学修を通じて、DXを推進できる人の育成・輩出を進めます。

  • 04

    産学官民共創による社会課題の解決に向けた

    教育プログラムの充実

    専門知識、研究遂行力のみならず、価値創造への強い意欲を持ちトランスファラブルスキル(チームマネジメント力、リーダーシップ、国際感覚、異分野理解力など)を兼ね備えた、イノベーション創出に資する人を育成します。

  • 05

    博士課程学生への経済的支援と
    キャリアパス整備の充実

    多様な経済的支援プログラムにより、学生が経済的な不安を持たずに研究に専念できる環境を構築し、博士課程・博士後期課程修了者数の増加を図ります。併せて、既存のジョブ型研究インターンシップや、トランスファラブルスキル獲得に向けたプログラムを恒常的に実施し、修了後の多様なキャリアパスを開拓することで、博士課程修了者の社会での活躍を促進します。

  • 06

    多様な学生への支援体制の確立と
    多様性を尊重する学生の育成

    キャリア支援や課外活動支援等の体制の整備に加えて、障がいのある学生、ヤングアダルトケアラーや留学生への支援、SOGI(性的指向・性自認)への配慮等、学生の多様性を尊重するための取り組みを推進します。また、人権教育の全学的実施を通じて、高い倫理観と想像力を有する学生を育成します。

Vision.03

Research

学理の探究を核とした世界水準の基礎・応用研究、学際研究を推進し、国際競争力の高い大学を目指すとともに、社会課題の解決に挑戦します。

Action plan

  • 01

    基礎研究の振興、および総合知を活用した

    新たな社会的価値の創造

    多様な学問領域を生み出す源となる基礎研究を推進するとともに、先端的応用研究のより一層の強化を図ります。また、異分野融合研究の促進による新領域研究や、人文・社会科学分野と自然科学分野の連携体制を強化するなど、知の総合を通じて新たな社会的価値の創造に向けた研究を推進します。

  • 02

    世界を牽引する研究拠点構築に向けた重点支援

    研究IR機能を強化し、大学の研究力の抜本的強化に向けた支援戦略の策定を行います。また、世界を牽引する拠点となり得る研究分野の選定と重点的支援を推進し、卓越した研究分野のさらなる発展を通じて、大阪のみならず世界規模の課題解決に資する先進的な研究を推進します。

  • 03

    次代を担う研究者の育成と
    次世代研究シーズに対する包括支援

    若手研究者に対する支援パッケージを充実させ、学内の次世代研究シーズの発見と育成を継続的に推進することで、大学の未来を担う革新的研究の発展を図り、世界をリードする研究者の輩出を目指します。

  • 04

    女性研究者が能力を発揮できるための
    教育研究環境の充実

    女性研究者が能力を十分に発揮できるよう、教育研究環境整備やキャリアアップ支援を行います。また、女性教員割合を増やし、多様性ある研究組織を構築することでイノベーション創出を図ります。加えて、理系女子大学院生で組織されたIRIS※3の活動を通して、女子大学院生の教育力やマネジメント力を高め、多様なキャリアパスへつなげます。

  • 05

    先端的研究基盤の共用促進による研究環境整備

    専門的技術職員の配置や効率的な研究機器運用システム化を構築することにより、大型研究機器や施設の維持管理等に係る研究者の負担を軽減し、研究者が研究に専念できる環境を整備します。

  • 06

    研究成果の社会実装に向けた支援体制の充実

    研究者が卓越した研究を推進するため、URAなどの研究支援スタッフの専門性を高めるなど、学術研究・産学官民共創研究の支援体制を強化します。また、研究成果の社会実装に必要な知財戦略を策定するとともに、知財の専門家を配置するなど知財マネジメント・技術移転部門の強化を図り、技術移転部門の外部化を検討します。

※3 IRIS(アイリスー I'm a Researcher In Scienceー)は、女性研究者のロールモデルとして、小・中・高校生に科学の楽しさや面白さを広める活動を行う大阪公立大学の理系女子大学院生チームです。

Vision.04

Medical Care

最先端の医学的知見を生かし、医療分野を先導する医療人を育てるとともに、患者本位の良質な医療を提供することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

Action plan

  • 01

    国際感覚を持ち、チーム医療を実践する

    高度専門的な医療人の育成

    総合的な医療から高度専門医療まで幅広く対応できる技術・識見を身につけ、地域に貢献できる豊かな人間性と高い倫理観を有し、多職種の連携によるチーム医療や国際医療連携を通じて、地域医療・国際医療を先導できる優れた医療人を輩出します。

  • 02

    先進医療研究の推進

    医学の発展のため基礎医学・トランスレーショナルリサーチから臨床研究を推進し、医療教育の充実および研究支援体制の拡充・強化を図り、地域の医学研究中核拠点として、高度先進医療を提供します。

  • 03

    安心かつ良質な患者本位の最先端医療の提供

    医療安全管理体制を強化しつつ、AIの活用と情報技術を連携させた先進医療を推進し、患者本位の良質な医療を提供します。

  • 04

    医療機関および地域コミュニティとの

    連携強化を通じた医療体制の充実

    社会に開かれた特定機能病院として、ICTを活用した地域コミュニティとの連携強化や住民への医療情報の提供等により、高齢化をはじめとする大阪の諸課題に沿った医療体制の拡充を図ります。

  • 05

    産学官民共創による医療技術、
    医療製品の創出

    医・獣・工の連携を促し、研究者や学生間の交流、シーズ/ニーズのマッチングを進めるとともに、ビッグデータを活用した未病研究、産学官民共創による研究シーズの社会実装を通じて、地域医療の課題解決に貢献します。

  • 06

    異分野融合型創薬研究の推進に向けた
    新たな教育研究組織の設置

    創薬科学副専攻の教育プログラムの充実と、大学院創薬科学研究科の設置準備を進めます。創薬科学研究科においては、情報・理・工・農・獣医・医の連携を強化し、グローバル製薬企業で活躍できる異分野融合型創薬研究リーダーの輩出を目指して、製薬企業との連携とアントレプレナーシップ教育を推進します。

Vision.05

International Collaboration

国際教育・研究ネットワークの構築を通じて、国際的な相互理解を進めることのできるグローバルリーダーの輩出と知の循環を促進し、地球規模の課題解決に貢献します。

Action plan

  • 01

    世界の学生を惹きつける
    国際教育プログラムの開発

    英語で受講できる科目のみで修了・卒業が可能なコースの充実や、交換留学プログラム、招聘交流プログラム、およびCOIL(Collaborative Online International Learning)型授業を中心にオンラインも活用した海外大学短期研修/派遣プログラムの整備を進めます。また、海外同窓会支部との連携により海外卒業生の実態把握を含め海外ネットワークを強化し、留学生の獲得や海外交流拠点としての活用を目指します。

  • 02

    キャンパスの国際化の推進と
    留学生支援体制の充実

    ポータルコンテンツ、キャンパス内案内、学内文書の英語表記化を推進することで、留学生にとって障壁のないキャンパスを実現します。さらには、外国人職員の積極採用や職員の外国語対応能力の向上を図ることで、留学生・外国人研究者に対する事務支援体制の整備を進めます。

  • 03

    国際研究ネットワークの拡充を通じた
    国際共同研究の促進

    国際共同研究・国際会議開催への支援、学生の留学・海外派遣に対する経済的支援等を充実するとともに、海外の大学との協定に基づく交換留学、若手を含む外国人研究者招聘・受入などインバウンドの促進を通じて、国際共同研究ネットワークの強化を図ります。

  • 04

    国際的なアントレプレナーシップ拠点の構築

    初等教育から大学院・社会人までのアントレプレナー教育のパッケージデザインを検討するとともに、起業家間のネットワークを強化するための連携プログラムを実施します。さらに、国際的なアントレプレナーシップ拠点の形成を目指して、グローバル市場における社会実装を志向する研究者の育成を海外の大学等と連携して実施します。

Vision.06

Governance

学長のリーダーシップの下、多角的な財務基盤の構築と戦略的な資源の配分を推進することで、大学運営体制を革新します。

Action plan

  • 01

    ダイバーシティの実現

    人種、性別および性自認や出身等の属性による不平等を解消し、各人がその人らしさを発揮する活躍の場を整え、新たな価値を見出すことができる教育研究機関となるよう、差別や人権侵害を防止するための研修、固定観念・アンコンシャスバイアスを打破する啓発活動をはじめとする様々な取り組みを積極的に実施します。また、研究時間確保等の総合的な支援制度を整備することで、多様性に配慮した次世代リーダーの継続的育成、特に上位職を含めた女性研究者比率の向上に努めます。

  • 02

    大学の社会貢献と成長を支えるための
    多様な財務基盤の構築

    大学の社会貢献と成長を支えるための財務基盤を構築するために、企業との産学連携における大型共同研究契約や受託研究の戦略的推進を行うとともに、寄附金・企業版ふるさと納税・クラウドファンディングなど、社会からの共感に基づく様々な資金獲得の仕組みを開拓します。

  • 03

    大学IRに基づく学内リソースの戦略的投資

    大学運営における意思決定を支援する大学IR機能を活用し、限られた学内リソースを短期・中長期的な観点から戦略的に投資することにより、大学の活動の最大化を図ります。

  • 04

    卒業生ネットワークの強化と
    新たな大学サポーターの開拓

    卒業生、在学生、保護者、教職員等を含めた情報の収集を進めるとともに、寄附等を活用した大学の諸活動の充実に関する情報発信を強化し、卒業生ネットワークのさらなる強化や新たなサポーターの開拓を進め、既存の基金への直接寄附やふるさと納税等の寄附活動の充実、メンバーシップカード、遺贈、遺言信託など、多様な形による大学の活動への支援の強化を図ります。

  • 05

    全学的DXによる戦略的教育研究活動の推進

    スマートキャンパスの実現に向けて、デジタル基盤の整備とともに情報セキュリティや個人情報保護のグローバル対応を進めます。また、学生サービス・業務の徹底的なオンライン化、ペーパーレス化をはじめとする業務の効率化により、新たな価値創造を行える組織体制への変革を目指します。また、情報環境インフラを整備し、時間・空間に依存しない教育研究活動の実現と、新たな教育研究上の価値創造を目指します。