活動報告
2019年7月16日
- 旧府大
- 住み続けられるまちづくりを
- 気候変動に具体的な対策を
岡山県倉敷市で災害ボランティア活動を行いました(2019年GW)
大阪府立大学ボランティア・市民活動センターV-station(以下V-station)は、現在、朝日新聞厚生文化事業団様の「2018年 西日本豪雨災害 大学ボランティアセンター助成事業」による助成を受け、2月より岡山県倉敷市真備町において災害ボランティア活動を行なっています。
以前報告しました春休み中の活動(参考:4月24日up「岡山県倉敷市で災害ボランティア活動を行いました(2019年春休み)(旧府大HP)」 )から引き続き、写真洗浄活動を行なっています!(活動の経緯や写真洗浄については前回の報告をご参照ください)
私たちは写真洗浄のスキルを身につけながら、次の2つの目標を設定し活動を行なっています。
「大阪で写真洗浄の活動を広めて、次に災害が起きた時に写真洗浄に関わる人を増やす」
「写真洗浄を通して被災写真のことを知ってもらい、次に災害が起きた時にすぐにとれる処置を知ってもらう」
今回は、10日間という長期間となったゴールデンウィーク(GW)中の活動を中心に、4月以降の活動を報告したいと思います。
春休みの終わりの4月6日に、私たちは「写真洗浄」講習会というものに参加してきました。この講習会は、写真洗浄会を運営したり、写真洗浄の手順をレクチャーできる方を増やすことで、住民の方から預かっている写真のご返却の支援拡張の協力をするのはもちろん、今後他の地域で災害が発生した時にも、支援できる人を増やしていくことを目的としていました。先述の目標ともとても合致していましたし、写真洗浄の流れを一からおさらいしたかったこともあり、積極的に参加しました。講習会では、写真洗浄の手順を、図を使ったり講師の方が実践したりしながら教えていただきました。また、写真の構造や写真がどのように腐食していくかなど、写真の基礎の基礎からみっちり教えてもらいました。写真洗浄の手順1つ1つの行う意味がとてもよくわかる講習会でした。
その後、授業が始まって以降は土日を使って一度活動を行なっています。この時は写真洗浄の運営会議に混ぜてもらい、大阪府立大学のこれからの関わり方を少し相談させていただいたりもしました。
そしてGW中は、4/29〜5/4までの6日間、のべ22人(実人数16人)が真備町にて写真洗浄活動を行いました。6日間、人は入れ替わりながらも、大学としては6日間継続して活動できたことは本当に意味のあることだと考えています。6日連続で滞在することで、得たものはとても大きかったです。写真を実際に預けに来る方がどのような気持ちで預けに来るのか、写真を返却された方がどのような表情で写真を受け取っておられるのか、実際にその場にいないと分からないことが6日間の間で何度も目にすることができました。そういった現場を見た学生が、大阪に帰ってきて、感じてきたことを言葉に込めて、写真洗浄の重要さを広めていく。こういうことが大切なのだと強く感じています。ですから、活動のたびに写真洗浄を体験し、写真洗浄の現場を見た写真洗浄のことをよく知っている仲間が増えていっているのは、大阪で写真洗浄活動を広め、次に災害が起きた時にすぐにとれる処置を知らせていこうとしている私たちにとってはとても嬉しいことだと思います。
実際にGW中に活動に参加した仲間の声を文末に掲載しているので、ぜひご覧ください。毎回、参加した学生には、活動後に報告を書いてもらっており、そこからの抜粋です。
最後に、アルバムが水害などで水に浸かってしまった時に、写真を救うためにすぐにとっていただきたい処置を述べます。何人か仲間も述べていますが、それは「水に浸かったらすぐに乾燥させること」です。災害発生直後は電気も水道も止まっていますし、家財の片付けなどもあり、写真洗浄を行う時間はないと思います。ですが、「乾燥」だけはしてください。とにかく乾かすことで、バクテリアによる腐食のスピードを落とすことができます。「乾燥」させておけば、生活が落ち着いた頃に写真洗浄を始めても間に合います。「乾燥」の仕方は、アルバムを立てて、洗濯ばさみでページを開きます。こうすることで中に空気が入りよく乾くようになります。洗濯ばさみがなければ、ダンボールの切れ端を挟むなど、何でも大丈夫です。ページとページの間に空気が入って乾かせるようにしてください。「乾燥」が一番重要な処置です。10分ぐらいあればできます。写真洗浄は急ぐ必要はありませんが、「乾燥」は急ぎます。泥水の中のバクテリアに写真が腐食されると、腐食されたところは元に戻らない場合がほとんどです。覚えておいて頂ければ幸いです。(卒業アルバムなどの印刷物は処置が異なりますので、この機会にぜひ調べてみてください。)
これからも、持続的に活動を続けていきたいと考えています。
工学域 機械系学類 陳代修平
参考リンク:
岡山県倉敷市で災害ボランティア活動を行いました(2019年春休み)(旧府大HP)
本学と大阪市立大学による合同ボランティアを「平成30年7月豪雨」の被災地へ派遣(旧府大HP)
本学と大阪市立大学・県立広島大学による合同ボランティアを「平成30年7月豪雨」の被災地へ派遣(旧府大HP)
Hさん
<参加した動機>
今までずっと災害ボランティアに参加したいと思っていたが、自分個人ではどうしたらいいかわからないままでいた。大学として参加させていただけるという機会はとても貴重だと思い参加した。
<学んだこと・感じたこと>
実際、被災地に行って自分の目で見ると、テレビで見ていたよりももっと被害の大きさを感じることができた。完成したアルバムを持って帰られる時の言葉で表せないようなあたたかい空気は忘れないと思う。
<他の人に伝えたいこと>
“ボランティア”というワードだけで堅く考えずに参加してほしい。出会いが広がります!
Nさん
<参加した動機>
災害ボランティアは全くの未経験であり、被災地に足を運んだこともなく、純粋に興味があったから。
<学んだこと・感じたこと>
写真を切り取る作業のなかで、もうなにが写っているのかわからなくなってしまっている写真なども少なくなく、水害のせいで大切な思い出の一部がなくなってしまうのは本当に虚しいことだと改めて思いました。また、窓が開きっぱなしの人気のない家々をみて、まだまだ仮設住宅に住んでいる人が多いことを知ったり、陸橋のところまで浸かったという話を聞いたりして衝撃を受けました。帰宅後、家族にこの話をしたら驚いていたので、この事実を知らない人も多いのではないかと思いました。こういった被災地の現状を知れる機会が少ないと、世間がこの出来事を忘れていってしまうのではないかと思います。
<他の人に伝えたいこと>
被災地の現状を知り、風化させないために、たくさんの人に伝えていくことが大切だと思いました。
Nさん
<参加した動機>
災害ボランティアに以前から関心があった。
<学んだこと・感じたこと>
ボランティアに参加した方々のお話を伺って、被災地の現状(いまだに手をつけられていない家屋の存在や、写真洗浄等の活動が続いていることなど)が正しく世間に認知されていないことを知った。またボランティアは被災された方々に一方的に支援を押し付けるのではなく、共に同じ目標に向かって考え、活動しなければ本当の復興、被災地の成長はない、という思いも聞くことができ、何の為のボランティアなのか、その意義を考える結果となった。
<他の人に伝えたいこと>
災害によってアルバムが水や泥につかっても、捨てずにまずは乾かすべきということ。
SNSはもちろん、TVや新聞にさえ、間違って情報や事実のほんの一部を取り上げただけの偏った情報が数多く出回っている。現地で実情を自分の目で確かめること、あるいは現地の方々の話を聞くことが、本当に有意義なボランティア活動への第一歩である。
Iさん
<参加した動機>
4月に一度参加して、楽しい雰囲気での活動にもう一度参加したいと思ったから。
<学んだこと・感じたこと>
アルバムの持ち主と一緒に写真洗浄をした際に、写真洗浄の存在を知らずにアルバムをすぐ捨ててしまう人がいるという話を聞いた。活動を通して、多くの写真が救えることが分かったので、1人でも多くの人が写真洗浄を知ることがまず大事だと感じた。
<他の人に伝えたいこと>
写真洗浄は一見難しそうで、又、人の思い出を扱う点で緊張する作業でした。でも、現地の人々がとても優しくサポートしてくれる簡単な作業です。少しでも興味があるなら参加して下さい。
Tさん
<参加した動機>
中学生のときから災害ボランティアに興味があったことと、倉敷出身の友人がいてその友人は「大丈夫。」と言っていたが、自分の目で確かめてみたいと思った。
<学んだこと・感じたこと>
実際に、被災地に足を運ぶのは初めてだった。住宅街を歩いていると、外から中が見える家も多く、そういった家の中は泥で汚れていたり家具が倒れていたりして、災害のひどさをテレビで見るよりも肌で感じた。学校の壁などには赤いテープが貼っていて、洪水の水位の高さを知ることができた。東日本大震災の時もそうだが、災害が起きた時その場にいなかった自分は水位の高さを目で見ても、その高さまで水があったとは想像できずやりきれない気持ちでいる。
<他の人に伝えたいこと>
災害が起きたとき、アルバムを捨てないようにと呼びかけるのはとても大事なことだと思った。また、いち早く「乾かす」という作業を始めることも広めていきたい。報道番組で「ボランティアの方に、ただのガレキであっても被災者の方にとっては思い出のあるものかもしれない。簡単に捨ててはいけない。という呼びかけを行っている」ということを聞いて、そういう呼びかけを徹底して行うことで、捨てられるアルバム、思い出の品が減ってくるのではないかと思った。