研究室紹介

<研究内容・施設等>

環境動物昆虫学研究グループ(農学部 緑地環境科学科/農学研究科 緑地環境科学専攻)では、昆虫や小動物の管理や生物多様性保全の基礎とするために、系統と生物地理学、生活史戦略、生息場所の保全生態学などに関わる研究を行っています。教育研究フィールドに約40万点の標本を収蔵した昆虫標本室、実験圃場に昆虫飼育室があります。

<最近の主な研究テーマ>

昆虫類の系統分類学的研究
小蛾類、甲虫類、カメムシ類、寄生性ハチ類など、種の多様性の解明、系統推定に関する研究を行っている。
昆虫類・小動物の生物地理学的研究
チョウ類、地表徘徊性甲虫類、寄生性天敵類、魚類、両生類などについて、各種の分布様式、地域の動物相の特徴や起源を明らかにする研究を行っている。
昆虫類の生活史戦略
昆虫の生活史の組み立て、植物と植食性昆虫あるいは昆虫と寄生性天敵の生活史同調、温暖化にともなう昆虫の分布と生活史の変化、昆虫の休眠と移動などについて研究している。
昆虫類・小動物とその生息場所の保全生態学
里山の管理法とチョウ群集の多様性、稲作水系における水生動物の生活場所利用あるいは水管理などの撹乱と水生動物群集の多様性、希少昆虫・小動物の保護方法などについて研究している。
害虫・有害動物の管理、外来種問題
近年問題となっている農業害虫や侵略的外来種の分布・生活史の調査を行い、それらの由来や管理法、防除法などについて研究している。

<卒論テーマ(2020年以降)>

  • アルゼンチンアリの侵入が在来チョウ類に与える影響
  • 植物工場における不快害虫の発生とその防除
  • 広島県と福島県産ヒメシジミの生活史と遺伝的多様性
  • 大阪府北部におけるタガメの生息状況と発見場所の水生動物群集
  • 外部形態を用いたフクロウ幼鳥と成鳥の雌雄判定
  • 絶滅危惧種クロツバメシジミの形態と配偶行動における外来寄主植物の影響
  • 大阪府南部におけるアカハネオンブバッタの侵入状況と在来種オンブバッタへの影響
  • 沿岸埋め立て地堺第7-3区の淡水水域における水生動物群集とその多様性
  • 泉佐野市大木周辺のため池における水生動物群集とその多様性
  • 樫井川水系における採捕調査と環境DNA解析による淡水魚類相の解明
  • 大阪府能勢町の異なる環境におけるバッタ目の多様性
  • 植物園の園芸植物に訪花するハナバチ類の種組成とその頻度
  • 大阪府南部に設置した巣箱におけるフクロウの繁殖状況と餌動物
  • 堺市のヤマトサンショウウオ生息地における水生動物群集
  • 繁殖期を通じたフクロウ雌雄・親子間の鳴き交わしの季節変化
  • 大阪府におけるカシノナガキクイムシ遺伝的二型の分布と季節消長
  • 滋賀県の野洲川におけるカワラバッタの季節消長と生息環境
  • 南大阪におけるカワバタモロコの遺伝的多様性と環境DNAを用いた分布調査
  • キマダラルリツバメを含む数種のシジミチョウ幼虫に対するハリブトシリアゲアリの行動の比較
  • 日本各地のヒメシロチョウの遺伝的多様性と寄主植物の繁殖状況
  • 大阪府におけるヨツモンカメノコハムシの生活史

<担当講義>

自然環境保全論、動物生態学、環境動物昆虫学、動物形態分類学、動物昆虫管理学、里地里山管理学実習など

<修士論文テーマ(2016年以降)>

  • 数種のマダラチョウ類に対するマダラヤドリバエの寄主適合性に関する研究
  • 音声解析と遺伝子解析からみたフクロウの繁殖生態に関する研究
  • カワラバッタの生活史と地理的変異に関する研究
  • ヤシャゲンゴロウの生息域外保全と環境DNA解析による生息密度推定に関する研究
  • キマダラルリツバメとハリブトシリアゲアリの種間相互作用に関する研究
  • ヨツモカメノコハムシの生活史と分布変化に関する研究
  • ヒメシロチョウの遺伝的多様性と寄主植物の繁殖状況に関する研究
  • ハッチョウトンボを指標とした湧水湿地の水生昆虫の保全に関する研究
  • 人間活動がアカネ属トンボ類の生息におよぼす影響に関する研究
  • アルゼンチンアリとハヤトゲフシアリの大阪府における侵入状況と数種薬剤に対する感受性に関する研究
  • クロツバメシジミとムシャクロツバメシジミにおける幼虫期の寄主植物と成虫の翅色の関係
  • 外来種マツヘリカメムシの分布と生活史に関する研究
  • クロマダラソテツシジミの幼虫期の密度と温度・日長が形態と生活史におよぼす影響に関する研究
  • 外来種ムシャクロツバメシジミの2個体群間の生活史形質の比較と絶滅危惧種クロツバメシジミへの影響に関する研究
  • ハッチョウトンボの個体群動態と生息環境に関する研究
  • 外来種クビアカツヤカミキリの近畿地方における分布拡大経路の推定と薬剤防除が在来種に与える影響に関する研究
  • 屋外照明器具の内部に侵入する微小昆虫の種組成と防止技術に関する研究
  • 日本国内で発見されたムネアカハラビロカマキリの由来と生活史に関する研究
  • 巣箱利用状況と遺伝的多様性から見た大阪府南部におけるフクロウの繁殖生態に関する研究
  • 植物工場で発生する害虫とその防除法に関する研究
  • 淀川水系におけるコクチバスの分布と食性に関する研究
  • 大阪府南部にけるヤマトサンショウウオの生活史と遺伝的多様性に関する研究
  • ムササビの巣箱利用様式と内部の無脊椎動物群集の関係に関する研究
  • セグロアシナガバチのコロニー発達におよぼす外役行動の種別頻度の影響に関する研究
  • 外来種クスベニヒラタカスミカメの季節消長と紀伊半島におけるクスノキ保存樹への影響に関する研究
  • 絶滅危惧種キマダラルリツバメの寄主アリ特異性と大阪府内の個体群の衰退要因に関する研究
  • 食糞性昆虫オオセンチコガネの腸内細菌叢に関する研究
  • 大規模開発実施場所に隣接して造成されたビオトープ池と周辺の谷津田における水生動物の群集構造に関する研究
  • 特定外来生物カダヤシの遺伝的多様性と環境DNAを用いた分布調査に関する研究
  • ヒメボタル二型における分布と遺伝的多様性に関する研究
  • シルビアシジミの個体群動態と遺伝的多様性に関する研究
  • 外来種ムネアカオオクロテントウの生活史に関する研究
  • マイクロサテライト解析を用いた日本産ギフチョウ属2種の保全遺伝学的研究
  • 絶滅危惧種のゲンゴロウ類2種の生息域外保全に関する研究
  • 照明器具に侵入する微小昆虫とその低減に関する研究
  • 近畿地方におけるアブラハヤとタカハヤの分布と遺伝的多様性に関する研究
  • 日本産アワフキムシ上科の分子系統学的研究
  • 特定外来生物アルゼンチンアリが生態系へおよぼす影響に関する研究
  • 水田管理法が水生昆虫群集に与える影響に関する研究
  • 和泉山脈におけるアリ類の垂直分布に関する研究
  • 大阪府南部と和歌山県北部におけるフクロウの繁殖状況と遺伝的構造
  • 八重山諸島におけるマダラチョウ類2種の生活史に関する研究
  • 海浜性コウスバカゲロウ属2種の分布と遺伝的多様性
  • 絶滅危惧種ウラナミジャノメの遺伝的多様性と生活史
  • 大阪府で採集されたカワリヌマエビ属種群の形態学的・分子系統学的解析
  • 箕面公園における土壌動物の多様性と外来種アギトアリの影響
  • ヒメマダラミズメイガとコマユバチ科の一種Microgaster sp.の寄主-寄生者関係
  • 大阪府南部の緑地におけるヒメボタルの季節消長と生息場所選好性に関する研究
  • カシノナガキクイムシの樹種選好性と潅水による被害軽減効果の検討
  • 里山における水生昆虫の群集構造と生息環境選好性に関する研究

<主な就職先>

環境省(国立環境研究所、地方環境事務所など)、農林水産省(農業環境技術研究所、神戸植物防疫所など)、林野庁、宮崎大学農学部、大阪府、大阪府教育委員会、兵庫県、奈良県、和歌山県、徳島県立博物館、堺市教育委員会、伊丹市昆虫館、京都市動物園、市町村職員、自然環境研究センター、大阪みどりのトラスト協会、日本自然保護協会、日本チョウ類保全協会、パナソニック、建設環境研究所、地域環境計画、大日本除虫菊、伊藤忠、NEXCO西日本

所在地

〒599-8531
大阪府堺市中区学園町1-1
大阪公立大学大学院
農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

居室

B11棟 4階429号室(上田)
B11棟 4階430号室(平井)

交通アクセス

● 南海高野線白鷺駅下車
南西へ約500m、徒歩約6分。
● 南海高野線中百舌鳥駅下車
南東へ約1000m、徒歩約13分。
● 地下鉄御堂筋線なかもず駅(5号出口)
南東へ約1000m、徒歩約13分。
● 南海本線堺駅から
南海バス(北野田駅前行31、32系統)約19分
● JR阪和線・南海高野線三国ヶ丘駅
南海バス(北野田駅前行31、32系統)に乗車し約9分、もず梅町三丁下車。