Research

[強磁性体、強誘電体などで見られる新規ドメイン構造と機能性、および観察手法の装置開発]

図1 図2 図3
透過型電子顕微鏡
(Transmission Electron Microscope, TEM)
  磁場印加すると現れるバブル状磁区構造は、スピントロニクス  分野での応用が期待されています。 ドメイン境界で発現する強誘電性

TEMを使った研究テーマの例

(1)Bragg小角電子線散乱のためのシステム構築
電子顕微鏡の特徴を生かし、これまで誰も行ったことのない、    ブラッグ回折に対する小角散乱を試み、局所歪みの解析に取り組んでいます。できる研究機関は世界的にも少なく、高度なテクニックが必要です。
図4-1

(2)応力発光材料の発光特性と微細構造の関係
応力発光をする物質について、発光特性と強弾性ドメインには関係があるのではないかと考え、応力発光材料の微細構造をTEMで調べています。

(3)ローレンツTEMを用いた磁区構造観察
アモルファス軟磁性材料の磁気特性と、磁気ドメインや微細構造の関係を調べています。

図5

全固体電池の正極活物質/固体電解質の熱安定性評価

現在、リチウム二次電池に代わる、より安全性の高い全固体電池の開発が求められています。当グループでは、全固体電池材料の熱的安定性の、TEMを用いたその場観察による評価や、充放電サイクルに伴って生じるアモルファス構造とナノ結晶の局所構造解析などを行っています。

[構造相転移の抑制がもたらす新奇量子臨界現象]

量子臨界点は、磁気転移などの2時転移が絶対零度まで抑制されたときに現れる、絶対零度での相転移点です。量子臨界点では、量子揺らぎが祖言う転移の駆動力となっているため、その近傍では電子は通常見られない振る舞いをすることが知られています。では、磁気転移ではなく、構造相転移の場合には何が起こるのか?これを明らかにするのが研究の大きなモチベーションです。 図6