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2024年4月1日
- 現代システム科学
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卒業生の声/アイエドゥン・エマヌエルさん(関西大学 システム理工学部)
※本記事は、大阪府立大学Webマガジン「ミチテイク・プラス」(2021年8月23日公開記事)から転載しています。掲載されている情報は公開当時のものです。
PROFILE
アイエドゥン・エマヌエル
- 関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 助教
- 出身:アフリカ・ベナン共和国
- 2016年3月 大阪府立大学 現代システム科学域 知識情報システム学類 卒業
- 2020年3月 大阪府立大学 大学院人間社会システム科学研究科 博士後期課程 修了
- 2020年4月より現職
現在のお仕事について教えてください。
私は大阪府立大学 人間社会システム科学研究科で情報学の博士学位を取得後、昨年度から関西大学・システム理工学部で助教として教鞭を執っています。研究では、人と計算機を結ぶ研究領域一般において、人の情況を考慮できる知的情動能力(Emotional Intelligence)を備えるシステム開発研究に挑戦しています。
現在の道に進んだ理由、きっかけを教えてください。
母国ベナン共和国では、人こそが最高の財産という考えが古くから伝わってきました。私は人の知的活動の高度化のために利活用される情報システムの可能性に大きな魅力を感じ、学生時代は知的学習支援システムの開発に携わる研究室への配属を志望しました。そして、研究生活を通して、指導教員をはじめ、様々なバックグラウンドを持った方に出会い、交流していくうちに、日本に一層深く共感を抱くようになりました。日本で国際的な研究を進め、活躍する姿を発信していくことこそが、延いては母国ベナンの発展にもつながるのでないかと確信しました。情報技術を駆使して人のあらゆる知的活動を支える知的計算機システムの普及に向け、第二の母国、日本において国際的に活躍できる研究者・教育者となるべく、現在の道に進みました。
これまでのご経験が今の仕事に活かされていると感じることがあれば教えてください。
大阪府立大学在学中の研究では、人の学びの文脈における情動支援を目的とした知的対話システムの設計及び開発に携わっていました。その経験を通して、指導側と学生間の相互信頼に資するようなインタラクションの綿密な設計が教育において如何に重要であるかを再認識しました。また、権威ある国際学会に参加し、全世界から集まった学問の最前線にいる研究者や意欲溢れる学生との活発な交流を通して、自分自身の国際的な人間関係構築力を磨けたと同時に、優秀な人が備えている物事を深く知りたい気持ち、好奇心を原動力とした生き方の魅力を生で味わうことができました。私は現在の職場での研究を通した教育の中でも、そのような人材の育成を目指すことを大切にしており、府大での教育・研究を通した経験に大きく影響を受けました。
大阪府立大学で実際に学んでみてどうでしたか?
大阪府立大学には、2012年に新設された現代システム科学域の一期生として入学し、学士、修士、そして博士の学位を取得し、合計で8年間在学していました。そういう意味では、私は正しく府大に育てられた研究者の卵であり、府大OBという身分をとても誇りに思います。在学中は、学業のみならず、留学生総会の代表を務めたり、地域貢献プロジェクトに参加したり、私にとって掛け替えのない大変充実した学生生活を過ごせたと感謝しています。
現在、進路を考えている受験生にメッセージをお願いします。
日本の未来・世界の行方を背負うのはあなた方であることを忘れてはいけない。そのため、変化にただ流されるのではなく、好奇心を持って、積極的に物事の本質を見抜き、そして自ら変化を引き起こす姿勢を見せることが大切です。少しでもこのようなことを意識すれば、他人の考えに溺れることなく、最高の受験生活・大学生活を送れるのではないかと思います。皆さんの成功を心より祈っています。
【関連リンク】
【寄稿:2021年8月17日】※所属は寄稿当時