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2020年2月2日

  • 経済学
  • 卒業生

等身大の自分で、自分から一歩を踏み出せば世界は変わる/ウィルシップ株式会社 代表取締役 三谷 英司さん

※本記事は、大阪市立大学Webサイト「ステートメントビジュアル」(2020年2月2日公開記事)から転載しています。掲載されている情報は公開当時のものです。

ウィルシップ株式会社 代表取締役

三谷 英司さん

三谷 英司さんの写真

いつまでも現役で仕事がしたい!その思いから、独立して事業を立ち上げました

ウィルシップ株式会社は、経営コンサルをメインとした事業をしています。私は大学卒業後から約40年勤めたオリックスで新規事業も含め様々な業務に携わってきたのですが、今はその経験、知識やノウハウなどを活かして、経営や営業のお手伝いをしています。社外取締役や顧問としてアドバイスを行うこともあれば、アライアンスを組んで一緒に営業拡大に走るといったことが多いですね。
63歳でオリックスの役員を退任する際、そのまま顧問として残らないかという話もいただいたものの、「自分はまだまだ現役で仕事がしたい。だからここからは自分でそのステージを作りたい」という思いから、独立することに決めました。「ウィルシップ」という社名は、意志や未来の意味を持つ「will」と、フレンドシップやパートナーシップなどその状態を表す「-ship」を合わせた造語で、お客さんの思い描く未来に向かって寄り添って実現していくパートナーでありたいという意味を込めています。たくさんのご縁があって仕事も広がっていっていますが、今後はさらに若手経営者、ベンチャー、あるいは上場を目指す方のサポートなどもできたらと考えています。

三谷 英司さんの写真2

ありのままの自分を出すことが、言葉の壁を越えて人と人を結び付けてくれる

大学時代の思い出はと聞かれて、実はあまり答えられるものがないんです。勉強も、課外活動も、ラクな方ばかり選択していました。今振り返れば、学生時代にもっと行動して、専門性を磨いたり、いろいろな人と交流したりしていれば、社会人になった時に仕事もプライベートももっと豊かになったのではないかと思います。だからどこかにその後悔があって、今はできる限りいろいろなことにチャレンジしようと決めているんです。でもそう思えるようになったのは、随分大人になってからでした。48歳の時に、市大出身の上司から「時間があるなら英語を勉強しろ」と言われて学び直すようになったんですが、そこで偶然会社でもスタンフォード大学でMBAのショートプログラムを受講するメンバーに選ばれてしまい…。2年かけて必死で勉強していったもののまったく英語が通用せず、留学初日で挫折。でもある時、大学が用意してくれたルーフトップバーで転機が訪れました。お酒の力もあってか、英語の下手さなんて気にせず、ありのままの自分で他の国からの留学生たちに話しかけていったんです。そしたら、何かが通じた。言葉の問題ではなく、お互いに人と人として向き合えるようになった。自分が素を出したから、相手も受け入れてくれたんだと思います。
この留学経験から得たのは、いいカッコをしても仕方がないということ。語学だけでなく、人としても、自分のレベルを正直に出すこと。そういう自然体の自分で、遠慮なんてせず飛び込んでいくこと。これはその後の人生においても、大きな影響を与える学びだったなと感じています。

三谷 英司さんの写真3

自分を豊かにするものを何か1つ持ってください。それは将来、必ず役に立ちます!

「自分は大学でこれに打ち込んだ!」「この分野においては誰にも負けない!」というものを、少なくとも1つは持ってほしいなと思います。語学でも読書でも何でも構わないので、自分を豊かにするものを深掘りしていってください。それは将来必ず自分に返ってきます。私も、留学は苦痛の3ヶ月でしたが、その経験があったから今があります。オリックス時代にカーシェア事業を始めた際、新規事業を成功させるため当時カーシェア先進国だったアメリカ、フランス、スイスの名だたる企業のCEOにアポを取って会いに行ったのですが、留学前の自分だったらとてもそんな勇気はなかったと思います。決して上手くはない自分なりの英語で懸命に思いを伝え、自分の知らないことをその道の先駆者に教えを乞う。等身大の自分で、自分から一歩を踏み出せば世界は変わることを、改めて実感しました。何でもいいとは言いましたが、やはり英語は身に付けておいてほしいですね。もっと英語力があれば、もっとおもしろい経験ができたのにと悔しい思いをたくさんしたものです。自分を豊かにするための「何か」をぜひ磨き続けてください。