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2024年7月31日

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座談会:理系の魅力を女子学生に伝えたい!/理系女子大学院生チームIRIS 第13期生

地域に理系女子を増やすために、さまざまな活動に取り組んでいる「大阪公立大学 理系女子大学院生チームIRIS」第13期生による座談会。理系を志望した理由や受験勉強法、大学院での研究、IRISでの活動内容についてお話しいただきました。

参加者

学生

  • 松本 朋子さん(農学研究科 応用生物科学専攻 博士後期課程1年)
  • 淺田 統子さん(工学研究科 物質化学生命系専攻 化学工学分野 博士前期課程2年)
  • 安藤 美玖さん(医学研究科 医科学専攻 修士課程2年)
  • 森田 万葉さん(工学研究科 航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学分野 博士前期課程2年)

ファシリテーター

  • 巽 真理子(女性研究者支援室 総括コーディネーター/ダイバーシティ研究環境研究所 客員准教授)

※所属・学年は取材当時

理系女子大学院生チームIRIS設立の経緯

巽 真理子コーディネーター(以下、巽)

大阪公立大学 理系女子大学院生チームIRIS(アイリス)は、2011年に大阪府立大学で結成されました。地域の身近な理系女子のロールモデルとして、オープンキャンパスでの進路座談会や、地域での進路講演会、IRISサイエンス・キャンパス(科学実験教室)などの活動をしています。2022年度から大阪公立大学に引き継がれました。

IRIS誕生のきっかけは、大阪府立大学が2010年に文部科学省科学技術振興調整費(現・科学技術人材育成費補助事業)「女性研究者支援モデル育成」に採択され、女性研究者支援センターが設立されたことでした。この補助事業は、理系の女性研究者への支援が大半でしたが、女性研究者を増やすためには、まずその卵となる大学院生を増やす必要があると考え、2011年に始めたのがIRISへの活動支援でした。この支援の目的は、IRIS自身が企画から運営まで主体的に活動できる場を作ることにより、成長の機会を提供することです。IRISの名称は、第1期生が名付けたもので、I’m a Researcher In Science.の略です。IRIS自身が互いに刺激しあい、成長することを目標に、大学院生としての研究との両立をはかりながら活動しています。

写真:座談会で話しをする参加者たち

活動の中心は、地域に出向いて行う実験教室「IRISサイエンス・キャンパス」と女子中高校生を対象に行う「進路講演会・座談会」です。サイエンス・キャンパスは2011年~2022年の12年間に大阪府内の17市1町で92回開催し、のべ4,796人(保護者含む)が参加。小・中・高校生に科学の楽しさや面白さを広める活動をしています。
理系への進路に興味がある女子高校生に経験を話す進路講演会・座談会は、結成当初から大阪府立大学のオープンキャンパスで実施してきました。大阪公立大学となった2022年からは地域からの依頼にも応じており、1年間に5会場で7回開催し、のべ178人が参加しました。

IRISが講師として活躍する姿を見せることで、地域の小・中・高校生にとっては、身近な理系女性のロールモデルとなり、保護者の方々が「男子は理系」から「女子も理系」へと意識改革していただくことが期待されています。

イベントの企画・準備・運営は、女性研究者支援室の支援を受けながら、メンバー自身が行います。それぞれの専門知識を活かしつつ、小・中・高校生に向けて「どのような内容・手順で説明すると、自分たちが伝えたいことが参加者に伝わるのか」という問題について試行錯誤しながら企画し、異なる研究分野のメンバーと話し合うことで、サイエンス・コミュニケーションに大切な視点とスキルが育まれます。

また「日経STEAMシンポジウム」のコンテスト出場や、堺市教育委員会が実施する「企業による学びの応援プログラム」への参加など、企業や行政機関と連携した活動にも積極的に取り組んでいます。2023年度は第13期生48人がIRISとして活動しています。

理系の学問を志した理由は?

まずは理系をめざした理由からお聞かせください。

淺田 統子さん(以下、淺田)

理系への進学を最終的に決断したのは、高校1年生の進路選択時です。私の場合は文系と理系それぞれにやりたいことがあったので、本当に最後まで迷いました。文系では教育学部を志望していましたが、 理系に進んでからでも受験できるので、将来の選択肢を広げるために進学を決めました。

松本 朋子さん(以下、松本)

親が爬虫類好きで、昔から一緒に昆虫採集に出かけることが多く、そこから生物が好きになりました。府立大には日本一の植物工場があると知り、農学部を選びました。

安藤 美玖さん(以下、安藤)

小学生の頃から病院での仕事に憧れていましたが、高校の時に見ていたドラマで、患者様が持つ少ない情報を元に検査する臨床検査技師という職を知り、志望しました。臨床検査技師とは血液検査や生理検査、心電図検査、採血といった全ての検査に携わる「検査のプロ」です。文系出身でも臨床検査技師になれますが、勉強する過程で理系の内容が必要になるため理系に進むことにしました。

森田 万葉さん(以下、森田)

国語が苦手だったため文系という選択肢が頭になかったです。機械系は、仲の良い塾のチューターからのアドバイスもあって決めました。思い起こしてみると、幼少期から大好きなLEGOが応用できそうな学部はどこだろうか?といった感じで決めた気もします。

勉強のやる気が出ない時の対処法

大学受験時に費やした勉強時間を教えてください。またやる気がなくなった時に工夫していたことがあれば教えてください。

淺田

勉強時間は10時間以上確保していました。塾には高校3年生から1年間通いましたが、家や学校での勉強がベースでした。勉強のやる気が出ない時は、モチベーションが復活するまで、頭を使わずにできるタスクに取り組んでいました。例えばデータ整理やノートの体裁をきれいに整えることなど、手さえ動かせば完成できる作業。高校の頃だとノートをまとめるとか、教科書をもう一度読み直すなどの勉強ですね。先々やる気がなくなることを見越して、あえてタスクを残しておくということは今でもやっています。

松本

やる気を高めるために「架空のライバル」を設定して「あの人よりは勉強するぞ!」と気合を入れていました。少林寺拳法の部活動やピアノの習い事にも取り組んでいたので、勉強時間は限られていました。でもその分しっかり集中できたし、いろいろ取り組んでいたことが生活のメリハリと、勉強へのモチベーション維持につながっていたのだと思います。ちなみに少林寺拳法では大阪1位になり全国大会にも出場しました。なぜ「架空のライバル」を作っていたのかというと、私がストイックすぎて「休もうよ」と誘ってくれる優しい友だちが多く、ライバルという存在ではありませんでした。レベルアップのためには「すごい人はたくさんいる!」とイメージして勉強を頑張ろうと考えました。

安藤

高校1年、2年生の時は琴の部活をやっていたので、学校での勉強を大切にしていました。たとえテストで結果が出なくても勉強の成果は残るから、毎日着実に理解を深めようという意識で取り組んでいました。だから試験直前にあわてて猛勉強したことはなかったです。自分自身、試験直前に焦るというのが苦手なんです。絶対クリアすべき問題や勉強量を超えた先に起こるやる気が出ない時は「なぜ私はそこをめざしているんだろう?」と自問自答していました。その上で「やったほうがいいよな、後で自分が喜ぶよ」とプレッシャーをかけて机に向かいました。

写真:話しをするアイリス安藤さん
森田

勉強量は高校3年間で異なっていましたが、毎日朝のルーティンとして、脳がリフレッシュしている起床後に数学の問題を1問解いていました。塾はわりと好きだったので週4ほど通っていました。やる気が出ない時は、屋外を1時間くらい走っていました。そうすると「しんどいから、勉強しよう」という気分になります(笑)。もう1つは、隔週金曜の学校帰りにマスキングテープを1つ購入するというご褒美を作り、モチベーションをコントロールしていました。

学生時代のアルバイトは貴重な経験

学部時代はどんなアルバイトをしていましたか?

森田

小学4年生から通っていた塾のチューターを週に一度。それと自宅の近所のコンビニを大学2年次から今も続けています。また3年次でオンライン授業ばかりだったときは、近所の学童保育の施設にもアルバイトとして行っていました。コロナ禍で大学に通学できなかったため、私にとってある意味通学でした。

安藤

大学1、2年次の時はダイニングバーに勤めていました。同時期に、着物の着付が身に付くという誘い文句にのせられて、懐石料理店で接客のアルバイトも始めました。大学院進学後も在籍していましたが、体力的にきつくなって辞めました。その後、検査技師の資格を活かして1年半くらいPCR検査のアルバイトをしていた時期もありました。今後は就職が決まっている病院でアルバイトとして勤めるかもしれません。

松本

まず出身高校の自習室に在室するチューターのアルバイトをしていました。その後は地元の塾で個別教室の講師を週2回、今でもやっています。個別教室では中学3年生と高校生の計4人を担当しています。普段の研究や勉強にメリハリができるのがいいですね。生徒のみんなもかわいいです。

淺田

初めてのバイトは、各カテゴリーでの受験をめざす幼稚園生と小学校低学年への幼児教育でした。その後は、職人向けの道具屋さんでの接客や、選挙の受付、巫女さんなどあらゆるアルバイトをしました。今は中学生を対象とした塾に勤めています。

皆さんいろいろなアルバイトをしているんですね。学部時代は授業や勉強との両立はできていましたか?

一同

(うなずく)

理系の学びの魅力とは?

皆さんの専攻について教えてください。選んだ理由やよかったこと、苦労したことを教えてください。現在の研究テーマでもかまいません。

淺田

出身大学である大阪府立大には化学工学分野という専攻がありまして、それが全国でも珍しいと入学時に聞いていました。2年次で専攻を検討する際に、希望者が少なく、就職に強いと聞いていたので同分野に決めました。それに一緒に所属を考えていた同級生たちが自分に似て真面目なタイプで、勉強をサボれるような間柄ではなかった。その雰囲気が自分の中でとても心地よかったんです。ここで頑張れば充実した大学生活が送れると思いました。

写真:話しをするアイリス浅田さん

化学工学的な学問を扱う研究室は全国にも複数ありますが、それを学部の1年次から4年次まで取り組み、大学院でもう一度体系的に学ぶことができるのが珍しいです。学部時代の学びが下積みされて基礎知識が備わっていますし、たとえ欠落している部分があっても大学院での学びで補えると知りました。

化学工学分野に面白さを感じるのは、研究内容がものづくりの最先端である製造分野に幅広く活用されている点です。化学工学は様々な化学的、物理的変化を含むプロセスの解析、設計、開発のための工学であり、対象とするシステムを包括的な視野で合理的に評価、設計します。私の研究は、大腸菌を用いて都市鉱山といわれる廃電子機器から貴金属を回収するものですが、実用化するためにこのリサイクル技術の全プロセスの最適化を検討しています。苦労したことは、得意ではない物理や数学に注力するため、そういう意味では上級の物理化学に向き合わなければいけないというのはありました。

松本

研究をひと言で表現するなら「植物の細胞内をガン見」しています。植物を扱う課程への進学の決め手は担当の先生から誘われたことが大きかったです。植物工場での研究は副専攻の課程で満足したので、その先の細胞内を可視化するミクロな研究か大規模解析の研究のどちらを選択するか悩みましたが、これまで取り組んで来たウェットな研究(白衣を着用し実験をするイメージ。実際に人間が細胞や微生物などを扱って生物学的な実験を行うこと)をもう少し続けようということもあり、今の研究室を選びました。ドライな研究(コンピューターを使用し解析や実験を行うこと)にもいつか共同研究として携わるのが目標です。

 研究を通して世の中で自分だけしか見ていない光景があるというのはテンションが上がります。顕微鏡を覗いて細胞内のミクロな世界を知ることはとても面白く、この分野に進んで良かったと思える点です。

研究での苦労はありませんが、実験にとても高額な酵素を使用するので、一度失敗すると2万円が飛んでしまうというのが怖いです。全体的には楽しくやっています。

例年12月上旬には「ヤンマー&応用生物科学フットサル大会」が開催され、第3回大会では私たちのラボを含む合同チームが優勝しました。「しっかり頑張ろう!」と先生方が明るく背中を押してくださり、一緒にフットサルを楽しみました。チームワークが抜群でとても良い学科です。

安藤さんは今の専攻を選んだ理由は?

安藤

今、取り組んでいるのは肝臓の研究です。体内であらゆる働きをし、病気になった時でも体調の悪さを示さない性質に興味を持ち、もっと調べたいと思いました。今は非アルコール性脂肪性肝炎「NASH(Non-Alcoholic Steatohepatitisの略)」について研究しています。NASHとは、お酒を飲まない人が脂肪肝を発症し、それが悪化して肝硬変になる可能性の高い疾患です。この病気を研究できる部屋(研究室)に所属したいという観点で今の研究室に決めました。

私はNASHの研究を専門に取り組んでいますが、部屋自体は肝繊維症をメインに扱っています。しかも先生は人工肝臓の組織を作るために3Dプリンターを導入するなど、何事にも興味を持ち、意欲的に活動しています。そのような幅広い視野と、研究に向き合う姿勢が尊敬できる点であり、今の部屋を選んで良かったと思える理由です。

また部屋には留学生が多いため、英語でコミュニケーションできるのがうれしいです。苦労したことについては、逆になりますが、医学研究科の修士課程は、外部からの入学生だけで同期がいないため、少し孤独です(笑)

他学部の修士課程だとその大学の学部から上がっていく人が多いですが、医学部の修士課程は外部からしか受け入れないんですね。

安藤

授業の時に自分と同じ学年の修士過程が全員集まりますが、トータルで授業に出席するのは10人。その中で大学・学部卒が3人で、その他の皆さんは社会人や留学生です。本当に所属がバラバラで「何をされているんですか?」と聞くことすら楽しくて、交流の幅も広がります。

森田

海洋システム工学分野の今の研究室を選んだ理由は、自分でもはっきり覚えていなくてインスピレーションだったと思います。だいたいの物事はインスピレーションだけで選ぶ性格なので…。私は沖合に設置される波浪計測ブイの係留索摩耗に関する研究を行っています。海に浮かぶ海洋構造物は係留索によって海底と係留されていますが、波浪や潮流、海底との摩擦によって係留は摩耗します。摩耗の進行によって係留索が破断し浮体が漂流する恐れがあるので定期検査が必要ですが、現行方法である係留索を引き上げての調査や無人探査機による調査は多大な労力とコストを要することが課題となっています。

そこで、本研究は数値シミュレーションで摩耗量を予測し、調査・メンテナンスの合理化を図ることを目的としています。

研究室に所属して良かったことは、実験や学会・帰省などで遠出する人が多いため、お土産が豊富に揃うことですね(笑)。昨年は研究室に所属している学生の半分が外国人だった期間があり、コミュニケーションの面でも楽しかったです。

気になる? 理系女子の1日

皆さんの1日のスケジュールを教えてください。

森田

午前6時ぐらいに起きて、体操や自分のルーティンをしています。朝ごはんを食べ、支度を整えて午前8時には家を出ます。最寄り駅まで自転車に30分乗り、1時間半ほど電車に乗り大学に到着。午前10時から正午までは研究をします。お昼はデスクでおにぎりを食べるだけの日が多いので、ぶっ通しで取り組むこともあります。友達に誘われたら外でお昼ご飯を食べ、サークルの「小型宇宙システム研究センター」に行く日もあります。

最近は日が暮れるのが早いので、午後5時には大学を出ます。午後7時に帰宅して夜ご飯を食べます。帰宅時間が早い時は自宅でもパソコンで研究の続きをすることもあります。自由時間にはテレビを見たり、気を休めたりしています。夜更かしをする体力が残っていなくて、午後10時半には寝ています。

塾のアルバイトは午後4時から午後10時の間なら入ることができます。忙しさによりますが、午後6時以降は在室しています。時間に余裕があれば、パソコンを持ち込んで研究を進めています。土日の遊ぶ予定がなければコンビニのアルバイトです。

写真:1日のスケジュール円グラフを持つアイリス森田さん

安藤

起床は午前7時です。研究室のコアタイムが決まっていないため、ちゃんと起きることができれば、午前8時前後には出るようにしています。午前9時台に研究室に到着します。時間のかかる実験が多々あるので、ノンストップで集中していると午後4時になっていることもあり、お昼を食べ損ねることもしばしば。パソコンで作業をしている時は、正午にご飯を食べます。アルバイトがある日は午後5時半には大学を出て、午後8~9時ぐらいまで働きます。家に午後9~10時ぐらいに着いて、 ご飯を食べて、お風呂入ります。その後YouTubeを見て、深夜0時過ぎには寝ます。体力的に辛いので6時間以上は寝るようにしています。

研究室のコアタイムは厳しくはないですか?

安藤

厳しくないです。午前9時~午後5時と決まってはいますが、学生3人のうち、最も真面目にその時間に在室している確率が高いのは私です。ベトナム人や中国人の皆さんもマイペースです。「学生だから好きにしていいよ」と先生もおっしゃいます。

松本

7時間半以上寝ているという、およそ博士学生らしくない超健康的な生活をしています(笑)。登校後は論文を読むなど、午前は集中して取り組んでいます。ラボのみんなと仲が良いので、お昼と夕方の休憩時間には恋バナをしたりして楽しんでいます。帰宅時間は平均午後7時半くらい。バイトの日は午後5時にキャンパスを出て、1時間で移動して午後6時~9時まで3時間ほど働きます。申請書作成に追われてる時は、午後10時頃まで死に物狂いで書いています。帰りはのんびりとご飯を食べて、漫画を読んで、犬と遊んで、好きな宝塚を見て、深夜0時には寝ています。

写真:1日のスケジュール円グラフを持つアイリス松本さん

研究室の男女比は?

松本

半々か女の子の方が多いです。席は男子の列と女子の列がありますが、性別関係なく色々な話で盛り上がります。でも誰かが研究で落ち込んでいたら全員で励まします。とても良い環境だと思います。

淺田

朝は早く起きてしまう体質なので午前5時頃に起きて、1時間ほど英語の勉強をします。

午前6時から45分間ぐらいで朝食を食べ、新聞を読みます。準備をして午前8時ぐらいには大学に到着します。通学時間には本を読み、英語を勉強しています。基本的には午前8時から午後4時まで、8時間在室しています。そのうち1時間は、研究室のみんなでご飯と雑談です。キノコの種類を当てるとか、株を買うなら何を買うとかの話で、みんなでワイワイしています。トピックが飛び交ってるんで、自分が好きなトピックになった時に雑談に入るみたいな時間が1時間あります。やがて飽きてくるのでリフレッシュのために個人的な勉強、英語などを30分くらいします。残りの6時間30分を研究に費やしていますが、ずっと研究ばかりではありません。

帰宅して午後5時半~7時の間は夕食の時間です。夕食は家族と食べたいので、そこは優先しています。弟が塾に通っているので少し早めなんですよ。 午後7時~9時に読書やテレビ鑑賞をします。午後9時からはお酒を飲みながらリフレッシュ。テレビや雑誌を眺めてから眠くなったら就寝します。

IRISの魅力は人とのつながりができること

皆さん睡眠時間をたっぷりとっていて、健康的で良かったです。 ではIRISについてお聞きします。参加したきっかけや入って良かったこと、身に付いたスキルなどがあれば教えてください。

森田

研究室、サークル共、私以外の女子は1人だけだったので、他専攻で同級生の女友達ができてよかったです。IRISではチームで取り組む機会が多く、グループワークが苦手な私にとって良い経験でした。自分が参加した企画で印象に残っているのは、「日経STEAM2023シンポジウム」です。本番でのプレゼンテーションコンテストの発表をする上での準備は研究に携わっているような感覚でした。

安藤

卒業して就職すれば、医療系以外の人と知り合う機会や交流するきっかけが生まれないと思い、一般の大学生、大学院生と関わる機会を持ちたくてIRISに入りました。私には教育系の活動経験がなかったのですが、IRISで他人に指導する機会があり、手応えを感じました。身に付いたスキルは、ポスターやスライドの作成です。入って良かったのはメンバーのみんなと知り合えたこと。さまざまな企画や活動ができて、とても楽しかったです。

IRISで初めて関わった活動は?

安藤

昨年のオープンキャンパスのリーダーに任命されました。それ以降も企画を立てたり、運営したり、IRISの活動を通して自分自身が磨かれました。

去年のオープンキャンパスは初めての2キャンパス同時開催で、Zoomで繋いだりとかして、結構リーダーの役割も大きかったですよね。

安藤

「2つのキャンパスの同時開催はダメなんですか」といったのは私です(笑)

画期的でしたね。では松本さんお願いします。

松本

IRISの存在は先輩と先生が教えてくれました。学会の発表において、聞く側の視点で発表することはとても大事なのですが、そのようなスキルはIRISの活動で身に付きました。塾での指導にも役立っています。今日の座談会もそうですが、理事長とお話できる機会など、IRISのメンバーだから実現できる活動に数多く参加できたのは、自分にとって貴重な時間でした。

写真:話しをする巽コーディネーターとアイリスメンバー

普段会わないような人と会えるというのもIRISであることのメリットですね。印象に残っている企画や活動はありますか?

松本

東京都立大学で開催された「集まれ!理系女子」というイベントです。「科学者になりたいです」とはっきり主張している女子学生の姿が印象的でした。

ある先生の講演を拝聴したのですが、初めて数学の面白さを感じました。早い段階で先生を知っていたら、数学の分野に進んでいたと思えるくらい印象的な出会いでした。

「集まれ!理系女子」はスーパーサイエンスハイスクールのノートルダム清心学園清心女子高等学校が主催しています。スーパーサイエンスハイスクールの女子校は珍しいので、面白い体験だったと思います。

淺田

研究室の先輩が活動されていたので、同期の女の子と一緒に入りました。身に付いたスキルは、他の社会人の方々とのコミュニケーション能力の向上です。一般的に大学生は、自分より社会経験がある方と接する経験はほとんどありません。でもIRISに参加したことにより、相手の利益を考えながら要望を押し通すコミュニケーション能力が身に付きました。また活動を通して、大学外の世界で活躍しているあらゆる分野の方々に出会えた時間はとても有意義でした。

IRISでの活動で最も印象に残った企画は?

淺田

堺市教育委員会が実施している中学生向けの「企業による学びの応援プログラム」です。企業の方々が講演者として参加されている中で、IRIS代表として講演させていただきました。会場では中学生から「淺田先生!」「すごい!」とか声をかけていただいて、スターになった気分でした(笑)。みんなから元気をもらえましたし、面白かったです。これまでは発信する側でしたが、改めて自分を客観視できた体験でした。

数学や物理が苦手でも大丈夫。めざせ、理系女子!

最後に、理系文系を含めて、進路選択に迷っている受験生に向けて、IRISの皆さんからメッセージをお願いします。

写真:座談会で話しをする参加者たち
淺田

私は理系に来てから別の大学への転学を考えたこともありましたし、その都度、選択期限のギリギリまで悩んでいたタイプなので、進路に迷っている人の気持ちはよくわかります。自分が思ってる以上に進路はたくさん存在します。もし複数の選択肢で迷っているのなら、いろいろな情報を取得し、たくさんの人から話を聞いて、思う存分悩んでください。大事なのは自分1人だけで決めないこと。自分の考えに固執しすぎないということは進路選択では大切です。

松本

私も周囲に意見をもらいながら進路を決めてほしいと思います。ちょっとでも興味があるなと思うことは絶対あると思うので、その方向に進んでもらえたらいいかなと思います。

安藤

私の場合、進路を考える時にはやりたいことがすでにありましたが、周りのみんなは「何がしたいかわからないけど、とりあえず大学を受験する」という子たちが多かったです。もし、やりたいことがない場合、あらゆる世界に飛び込んで探してみてください。後々の後悔は少ないですし、楽しいことも待っています。

森田

周囲から希望する進路を反対されたとしても、押し切って自分の道を進んでください。
苦手だけど興味があるとか、やってみたいことがあるならば、理系に進んでも後悔はないだろうし、最後までやり通せると思います。

オープンキャンパスで「数学や物理が苦手」と相談に訪れる高校生に対して「苦手科目はなんとかなる」とIRISのメンバーがアドバイスすることがあるのですが、それを聞いて「私も高校生の時にこの話を聞きたかったな」と思います(笑)。もし進路に迷ってる方がいたら、ぜひオープンキャンパスに来てください。IRISから、少しでも参考になるお話が聞けると思います。座談会の皆さんのように、優しくて頼もしい理系女子の皆さんがIRISにはたくさんいます。理系をめざす皆さんが将来IRISのメンバーに加わる日を楽しみにしています。

一同

ありがとうございました。

座談会参加者の集合写真

参考リンク