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2025年4月8日
- 教員
【開催報告】RESPECT共同研究助成 成果報告会・研究者交流会
2025年3月25日、大阪公立大学 杉本キャンパス 学術情報総合センター 1階 文化交流室にて、女性研究者支援室の主催により「RESPECT共同研究助成 成果報告会」を開催。その後、女性研究者支援室とURAセンターの共催で「第二回 研究者交流会 ~語ろう・拓こう~」を開催しました。
研究者交流会は、研究者が専門分野を越えて気軽な対話を楽しむ機会を提供するもので、自分の研究を別の視点で見直したり、新たな展開のヒントを得たりすることを目的としています。
当日は学内の人文社会科学分野から生命科学、理工学分野まで多彩な分野の研究者が一堂に会し、キャンパスを越えて交流しました。参加者は、自分の興味や成果、今後の目標から、研究活動で困っていることなど、普段は語り合うことのない話題について意見を交わし、有意義な時間となりました。
RESPECT共同研究助成とは
大阪公立大学の教授等の上位職における女性数増加を目的に、女性研究者に競争的インセンティブとして共同研究費を支援する制度です。女性研究者が研究チームのリーダーとなる活躍促進を目指しています。今回の成果報告会では、2023年度の採択者がそれぞれの研究成果について発表しました。
RESPECT共同研究助成(女性研究者支援室Webサイト)
RESPECT共同研究助成 2023年度 採択者による成果報告
当日は、審査委員長である森澤 和子教授の挨拶に始まり、2023年度の採択者による成果報告が行われました。工学、農学、獣医学、生活科学の各分野から、最先端の研究成果が分かりやすく紹介され、参加者は多様な視点から現代の研究動向に触れることができました。
農学研究科 松尾 薫准教授
「『住み続けられるまちづくり』のための戦略的な緑地整備・保全シナリオの作成とその評価」
気候変動による都市の高温化や豪雨の増加、人口減少による空き地の増加に対応するため、都市内の未利用地を緑地として活用する計画手法を研究。呉市を対象に、洪水抑制や都市冷却効果を持つ緑地の配置をシミュレーションし、持続可能なまちづくりに貢献することを目指しています。

生活科学研究科 早見 直美准教授
「地域連携食育ネットワークにおける小中学校でのデジタル食育の推進と保護者への波及効果の検討」
地域と連携した食育プログラムを通じ、思春期の子どもたちの健康的な食習慣を促進。ICTを活用したデジタル食育や、保護者を巻き込んだ取り組みにより、朝食のバランス改善や家庭での食育意識向上が見られました。さらに、食育アプリを試行し、効果的な学習方法を模索しました。

工学研究科 中川 智皓准教授
「自動運転レベルの自動切替えに向けたパーソナルモビリティの制御」
電動キックボードのようなパーソナルモビリティ(PMV)の自動運転レベルを、安全かつ効率的に切り替える制御方法を研究。AIを用いて操縦者の運転挙動を解析し、状況に応じた最適な制御を実現するシステムを提案しました。

獣医学研究科 松原 三佐子准教授
「肝疾患における細胞間相互作用の破綻」
肝疾患の発症・進行には、肝細胞と肝星細胞や肝類洞壁細胞などの「間質」に存在する非実質細胞の相互作用の異常が関与することに着目。炎症や線維化が起こるメカニズムの解明を目指しています。

その後、研究者交流会としてポスターセッションが実施されました。この企画を「研究交流会」ではなく「研究者交流会」と命名したのは、あくまで研究者を主役とする趣旨からです。各発表者は、3分間のショートトークを通して研究内容と研究への思いを紹介。参加者と気軽な対話を楽しみ、異分野間の交流が深まりました。
最後に、茶菓を交えた交流会も実施し、参加者同士の親睦をさらに深める場となりました。

参考リンク
RESPECT共同研究助成 成果報告会 合同開催 研究者交流会 ~語ろう・拓こう~のご案内(女性研究者支援室Webサイト)