お知らせ

毒物紛失事案 再発防止に向けた当面の取り組みについて

2024年5月27日

  • 大学からのお知らせ

本学工学研究科研究室所有の「毒物及び劇物取締法」に指定されている毒物紛失事案(5月16日(木)公表)につきましては、各方面に多大なるご迷惑とご心配をおかけしており、改めて心よりお詫び申し上げる次第です。
今般、本事案公表前後の状況とあわせ、「再発防止に向けた当面の取り組み」についてご報告させていただきます。

(1) 事案公表前後の状況

月日

状況

5/14(火)

紛失があった当該研究室を、関係職員(安全衛生課)にて捜索するも発見に至らず。

5/15(水)

住吉警察署および大阪市健康局生活衛生課薬務指導グループ(以下、「大阪市健康局」)へ一報。

5/16(木)

関係各所への報告・調整を踏まえ、記者会見にて本事案を公表。

5/17(金)

「大学における毒物紛失に係る緊急対策本部(以下、「対策本部」)」を設置。(学長を本部長とし、全常勤役員等で組織。以降5/20(月)から毎朝830より、対策本部会議を開催)

同日

教職員、学生およびその保護者、卒業生向けに大学からのメッセージ発出。

同日

住吉警察署 刑事課へ被害届を提出し、受理される。

同日

紛失があった当該研究室を再度、関係職員(安全衛生課、教育推進課、総務課)にて捜索するも発見に至らず。

5/20(月)

関係職員を増員(安全衛生課、教育推進課、研究推進課、総務課)して紛失があった当該研究室を再度捜索。当該研究室に加え周囲の居室まで捜索範囲を広げ捜索するも、発見に至らず。

同日

対策本部の下に「化学物質適正管理対策ワーキンググループ(以下「WG」)」を設置。

同日

学内での関連委員会(安全衛生委員会)等での再度の注意喚起を順次開始。

5/21(火)

1WG会議を開催。

5/27(月)

「再発防止に向けた当面の取り組み」(本資料)を公表。

(2) 再発防止に向けた当面の取り組み

以下「① 今回事案の発生要因と考えられる事項」を踏まえ、再発防止に向けた当面の取り組みを進め、本学の「化学物質管理ルール(関連規程および要綱(※))」の改正とあわせ、さらなる安全対策の強化に取り組みます。
(※)「大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校化学物質管理規程」
および、「大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校化学物質管理要綱」

① 今回事案の発生要因と考えられる事項

  • 毒物と劇物が同じ保管庫に保管されていたこと。
  • 保管庫は鍵管理BOX(システムキーボックス)(以下「管理システム」)に登録をした者であれば開閉でき、毒物を取り出す事が出来たこと。
    (ただし、鍵の使用者および使用日時等の履歴は残されている)。
  • 当該毒物が、長期間にわたって未使用状態で保管されていたこと。
  • 長期間使用されていない毒物をはじめとする毒物と劇物の所在確認についての定めを、年に1度の棚卸し時としていたこと。
  • 紛失等の事案発生時に速やかに管理責任者(研究科長等)に報告するというルールが不徹底であり、当事者の危機管理意識が不足していたこと。

② 本学の「化学物質管理ルール(関連規程および要綱)」改正の要点

 

項目

現状と事案発生要因

改正の要点

1

一般試薬、毒物、劇物の保管庫区別

毒物又は劇物とその他の化学物質とは別に保管することは定めているものの、毒物保管庫と劇物保管庫を分けることについては明記していない。

毒物と劇物は別の保管庫で管理することを明記する。

2

毒物保管庫の管理

開錠時から閉錠時までの管理運用方法については定めがあったものの、管理システムに登録されている者が単独で鍵を使用できる状態になっていた。

毒物保管庫および保管庫の鍵は責任教員の管理とし、教員あるいは学生が毒物を扱う実験等を行う場合、開錠時から閉錠時までの管理(毒物保管庫の開錠、取り出しから返却、使用量の確認、閉錠まで)については原則として責任教員が行うことを明記する。

毒物の廃棄指針

使用実績が無く、一定の期間が経過した毒物についての廃棄指針は「長期間使用見込みがない」と抽象的に定められており、具体的な期間(年限等)まで明記していない。

未使用期間が3年以上の毒物は原則廃棄処分すること、また未使用期間が3年未満であっても、使用予定のない毒物については可能な限り速やかに廃棄処分することを明記する。


③ 従来ルールの再確認と周知徹底について

 

項目

対策

毒物保管庫および劇物保管庫の固定による盗難防止

転倒防止、盗難防止のため、毒物劇物の保管庫を壁等に固定することを再度周知徹底する。

緊急時連絡先の常時掲示

紛失・盗難、飛散等の事件・事故発生時の対処フローを徹底し、緊急時の第一連絡先電話番号を研究室に常時掲示する。

保管庫・容器の表示再確認

毒物と劇物の保管庫及び容器の「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」の表示を再確認する。

新規試薬の管理徹底

購入した毒物と劇物は、化学物質管理システム(COsMOS)で登録管理するとともに、調製した試薬については別に「調製毒物劇物受払簿」を作成し管理することを再度徹底する。

緊急時対処法の周知徹底

年度当初に、研究室の責任者により、研究室構成員全員(学生を含む)に対し、管理および緊急時の対処法について周知徹底を行う。

教育訓練の再実施

学生・教職員化学物質取扱者を対象とし、薬物管理のあり方および緊急時の対応等を含めた教育訓練を再実施する。

10

 

指導内容の見直し

化学物質取扱者教育訓練(参加必須)においても、管理方法及び緊急時の対処法に関する指導内容を改定・充実する。


まずは、以上の「再発防止に向けた当面の取り組み」を速やかに実施いたします。あわせて、引き続き、大阪市健康局をはじめとする関係行政機関からのご指導を賜り、さらなる安全対策の検討に鋭意取り組みます。それら安全対策においては、都度まとまった段階で公表させていただきます。
また、警察の今後の捜査にも全面的に協力してまいります。

【添付資料】
大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校化学物質管理規程 (152.9KB)大阪公立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校化学物質管理要綱 (761.8KB)令和6年度 化学物質適正管理対策WG構成員 (98.5KB)

本件に関する問い合わせ先

大阪公立大学 安全衛生課 担当:課長 倉家(くらいえ)
電 話: 06-6605-2096・2097