お知らせ
医学部附属病院DMATが大阪市立堀江中学校で災害医療・救命講習を実施
2024年12月19日
- 教育
- 社会連携
2024年12月5日(木)、医学部附属病院の災害派遣医療チーム『DMAT』が、大阪市立堀江中学校の1年生約320人を対象に体験型出張講座を実施しました。本学のDMATが災害医療・救命講習をするのは初めてとなります。
本講座は、近年、自然災害や街中での雑踏事故、刺傷事件等で派遣数が増加しているDMATの活動内容を伝え、若いうちから一次救命処置の重要性について考えてもらうことを目的に、救命教育活動の一環として行いました。
講師は、令和6年能登半島地震の被災地の医療支援にも派遣された、救命救急センターのDMATに所属する医師や看護師らが務めました。
まず、災害医療講習として、DMATの活動内容や災害時に効率的な医療活動を行うための絶対原則『CSCATTT(※)』などを紹介しました。その後生徒たちは、治療の優先度を決めるトリアージを医師・看護師・傷病者役に分かれて実施。さまざまな症例の傷病者に対し、歩けるかどうか、呼吸の有無や回数、脈の有無などの状況を聴き取り、一生懸命対応する様子が見られました。
講師を務めた佐尾山 裕生病院講師からは、「速やかに治療を開始すれば命が助かる『区分Ⅰ』の人を、できるだけ早く効率的に見つけることが、多くの人を助けることに繋がる」と説明がありました。
続いて、AED(自動体外式除細動器)を用いた心肺蘇生法(胸骨圧迫)の模擬体験を実施。医学部6年生の杉本 喜恵さんによるAED講習会では、質の良い胸骨圧迫を行うことと、できるだけ早く電気ショックを与えることが救命率を上げると説明がされ、胸骨圧迫で適切に心臓に酸素を送るための姿勢や、音楽を用いて一定のリズムやテンポを把握する方法の紹介がありました。
訓練用人形を使用してAEDと胸骨圧迫の模擬体験をした生徒たちが、手をたたきながらリズムを取るなど工夫して取り組む姿が見られました。
最後に、救命救急センターの内田 健一郎准教授が「もし人が倒れているような現場に遭遇したとき、今日の体験が命を助けるきっかけとなれば嬉しい、また、声かけをして周りの大人に助けてもらうことが大切」と話し、講義は終了しました。
参加した生徒からは「いつ遭遇するかわからない災害や事故のとき、この経験を生かしたい」「医療系の道に進むことを考えているので勉強になった、初めてAEDに触れられて良い経験になった」などの感想が寄せられ、災害時の医療について身近に感じてもらう貴重な体験となりました。
医学部附属病院では、大阪府災害拠点病院として、院内災害医療体制の周知や強化のみならず、今後起きうる激甚災害に対する平時からの備えなど救急・災害医療の充実のためにさまざまな活動を行っていきます。
※『CSCATTT』…災害発生後にとるべき行動である7つの基本原則で、それぞれの頭文字をとったもの
Command and Control (指揮と連携)
Safety (安全確保)
Communication (情報収集伝達)
Assessment (評価)
Triage (トリアージ)
Transport (搬送)
Treatment (治療)
当日の様子
講義の様子
佐尾山病院講師による災害医療講習
トリアージタッグ
トリアージ・デモンストレーションの様子
トリアージで脈を確認
杉本さんによるAED講習
内田准教授による救命講習
胸骨圧迫の基本姿勢を説明
問い合わせ先
医学部・附属病院事務局 総務企画課
TEL:06-6645-2711
E-mail:gr-a-shomu-kouhou[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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