最新の研究成果

酢の物摂取習慣と血圧の関係を明らかに ~40歳以上の男女1498名に食生活調査を実施~

2022年6月24日

  • プレスリリース
  • 生活科学研究科

本研究のポイント

◇40歳以上の男女1498名を対象にライフスタイルおよび食生活調査を実施。
(高血圧などと診断されていない746名の結果を利用)
◇月1回以上酢の物を食べる男性は、食べない男性より血圧が低い傾向。

概要

大阪公立大学大学院 生活科学研究科の叶内 宏明教授らの研究グループは、血圧低下作用を持つとされている食酢を用いた料理の摂取頻度と血圧の関係を明らかにしました。
本研究では、鹿児島県垂水市の40歳以上の男女1498名を対象に、自記式食事歴調査票を用いてライフスタイルおよび食生活の調査を実施。そのうち高血圧などと診断されていない746名の結果を用いて、食酢を使った料理の摂取頻度と血圧の関係を明らかにすることを目的とした横断研究です。
その結果、男性では86.4%、女性では93.9%が、月に1回以上酢の物を食べる習慣があることがわかりました。さらに、酢の物の摂取習慣がない男性は、月に一度でも酢の物を摂取している男性に比べて、日本高血圧学会が策定したガイドラインで定める血圧値の分類が悪いことが明らかになりました。
本研究により、酢の物は男性の血圧を改善する可能性があることが示唆されましたが、酢の物摂取習慣と血圧の因果関係は不明なままです。酢の物摂取習慣が血圧の改善に有効であるかどうか、今後の詳細な検討が望まれます。

※鹿児島大学と垂水市が中心になって進められている垂水研究に、叶内教授が鹿児島大学在籍中に参画していた際に得られた結果を元に解析を開始し、引き続き大阪公立大学で研究を継続して得られた成果です。

研究者からのコメント

食酢摂取が血圧改善に効果があることは、ヒト介入試験で示されています。本調査では「酢の物」の摂取習慣の有無が男性の血圧に関係する独立した因子であることを明らかにしました。ただし、摂取頻度を増やしても、さらなる血圧改善にはつながらないようです。バランスの良い食生活に「酢の物」を時々加える食生活を提案します。

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叶内 宏明教授

掲載誌情報

雑誌名:

Heliyon

論文名:

Association of blood pressure and dietary intake of Sunomono, Japanese vinegared side dishes, in community-dwelling Japanese: A cross-sectional study

著者:

Kanouchi H, Yamashita M, Kaimoto K, Kuwabara A, Kawakami Y, Takenaka S, Koriyama C, Kuwahata S, Takenaka T, Akasaki Y, Kubozono T, Miyata M, Ohishi M.

掲載URL

https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2022.e09505

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研究内容に関する問合せ先

大阪公立大学大学院 生活科学研究科
教授 叶内 宏明(かのうち ひろあき)
TEL:072-950-2840
E-mail:kano[at]omu.ac.jp

[at]を@に変更してください。

取材に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:久保
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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