最新の研究成果
外出時間<外出先の数が影響 外出先の数が多い高齢者ほど、活動量が多いことが明らかに
2022年7月21日
- プレスリリース
- リハビリテーション学研究科
本研究のポイント
◇高齢者133名を対象に、GPSと加速度計を用いて2週間の外出行動データを実測。
◇外出時間の長さだけでなくその中身(多様さ)を知るため、外出先の数(滞在地点数)を分析。
概要
大阪公立大学大学院 リハビリテーション学研究科の上村 一貴准教授、富山県立大学工学部の岩本健嗣准教授らの研究グループは、高齢者の健康維持に不可欠な身体活動量の多寡には、外出時間の長さよりも外出先の数(滞在地点数)が関連していることを明らかにしました。
当該分野におけるこれまでの外出行動の分析は、自己申告式アンケートに基づくものや、GPSデータを利用した場合も外出時間などの単一指標によるものが多く、望ましい外出行動パターンを具体化することに関して課題がありました。今回、「外出先の数(滞在地点数)」に着目することで、外出の多様性を指標とした分析を行いました。
本研究では富山県の65歳以上の高齢者133名を対象に、GPSと加速度計を用いた行動分析を14日間行い、外出行動パターンと身体活動量の調査を実施しました。
その結果、高齢者の身体活動量には、外出時間の長さよりも外出先の数(滞在地点数)の多さの影響が強いことが実証されました。健康寿命の延伸に向けて、高齢者に外出行動を推奨する際は、外出先の多様性(目的地の多さ)の視点が重要である可能性が示唆されました。
本研究は、2022年7月9日(土)『Geriatric Nursing』にオンライン掲載されました。
「外出」が高齢期の心身の健康づくりに有益であるのは明らかですが、本研究では、単に長い時間外出することより、外出先が多いことのほうが、身体活動の多さに関連していることを示しました。
趣味や買い物、地域参加など目的は人それぞれですが、健康づくりのための「外出の多様性」という視点の重要性を提案します。
上村 一貴 准教授
掲載紙情報
発表雑誌: | Geriatric Nursing |
論 文 名: | Objectively-measured out-of-home behavior and physical activity in rural older adults |
著 者: | Kazuki Uemura, Takeshi Iwamoto, Masakazu Hiromatsu, Atsuya Watanabe, Hiroshi Okamoto |
掲載URL: | https://doi.org/10.1016/j.gerinurse.2022.06.010 |
研究内容に関する問合せ先
大阪公立大学大学院 リハビリテーション学研究科
担当 :准教授 上村 一貴
TEL :072-950-2111 (ext. 3444)
MAIL:kuemura[at]omu.ac.jp [at]の部分を@に変更してください。
取材に関する問合せ先
大阪公立大学 広報課
担当 :田中
TEL :06-6605-3411
MAIL:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]の部分を@に変更してください。
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