最新の研究成果

ごく微量でも活性は数万倍!  イミダゾールジペプチド酸化誘導体の高精度な検出法を確立

2023年1月27日

  • プレスリリース
  • 理学研究科

本研究のポイント

◇微量の2-オキソイミダゾールジペプチドを選択的・高感度に定量解析する方法を確立。
◇抗疲労物質として近年注目されているイミダゾールジペプチドに比べて、本研究対象が非常に高い抗酸化活性を示すことを明らかに
◇食肉に数種類の2-オキソイミダゾールジペプチドが含まれていることを世界で初めて発見。

概要

近年、イミダゾールジペプチド(IDPs)が、疲労軽減や健康的な身体づくり、運動パフォーマンスの向上に効果があると非常に注目されています。

大阪公立大学 大学院理学研究科 居原 秀教授、笠松 真吾助教、小前 奏明大学院生(大阪府立大学大学院理学系研究科 博士前期課程2年)らの研究グループは、イミダゾールジペプチドに酸素原子が一つ付加した2-オキソイミダゾールジペプチド(2-オキソIDPs)が非常に高い抗酸化活性を示すことを明らかにしました。さらに本研究グループは、ごく微量の2-オキソIDPsを選択的かつ高感度に検出する方法を確立し、牛肉や豚肉などの食肉に、数種類の2-オキソIDPsが含まれていることを初めて明らかにしました。
本研究成果は、2-オキソIDPsを多く含む食品の開発などに貢献するだけでなく、新規の内在性機能性分子である2-オキソIDPsの研究の基盤となるものと考えられます。

本研究成果は、2022年12月2日「Antioxidants」にオンライン掲載されました。

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我々の研究室では、新規の内在性抗酸化物質である2-オキソIDPsを発見し、前駆体IDPsが酸化されることによって抗酸化活性が高まるといった奇妙な現象を見出していました。今回の研究成果で、2-オキソIDPsの高度な解析が可能となりました。今後この手法が、基礎生物学だけでなく、医学、農学、薬学にも応用され、人々の健康増進、疾患予防の一助になることを期待しています。

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       居原 秀 教授

資金情報

本研究の一部は、科研費(21H02082, 22K06148)の支援で行われました。

掲載紙情報

発表雑誌: Antioxidants
論 文 名: Quantitative Determination of 2-Oxo-Imidazole-Containing Dipeptides by High-Performance Liquid Chromatography/Tandem Mass Spectrometry
著     者: Somei Komae, Shingo Kasamatsu, Koji Uchida and Hideshi Ihara
掲載URL: https://www.mdpi.com/2076-3921/11/12/2401 



プレスリリース全文 (582.3KB)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 理学研究科
教授:居原 秀(いはら ひでし)
E-mail:iharah[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

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