最新の研究成果

賢いのはヒトだけじゃない! 魚も自分の写真を見て「これは自分だ」と認識している

2023年2月7日

  • プレスリリース
  • 理学研究科
ポイント

◇魚類の『写真自己認知』を世界で初めて実証。
◇魚類も「顔」を見て自分や他者を判断。
◇社会性のある脊椎動物全般の認知研究に大きな一歩。

 概要

大阪公立大学大学院 理学研究科 幸田 正典 特任教授らの研究グループは、魚類が自分の写真を見て「これは自分だ」と認識できることを世界で初めて実証しました。

さらに、その判断材料は体ではなく「顔」であることが明らかになりました。  魚類に「内面的自己意識」があると明らかにした本研究成果は、動物の認知研究を大きく進歩させ、さらなる発展へと寄与することが期待できます。

本研究成果は、2023年2月7日に学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」にオンライン掲載されました。

掲載誌情報

【発表雑誌】Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)
【論 文 名】Cleaner fish recognize self in a mirror via self-face recognition like humans
【著  者】Kohda M, Bshary R, Kubo N, Awata S, Swersby W, Kawasaka K, Kobayashi T, Sogawa, S
【掲載URL】https://doi.org/10.1073/pnas.2208420120
プレスリリース全文 (591.2KB)




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ホンソメワケベラ

Bluestreak cleaner wrasse, a fish with self-recognition in photographs


宗教的背景の影響もあり、西洋的価値体系は、ヒトを頂点とし動物を低く見なすという生命の価値観を築いてきました。本研究では魚が自分の写真を見て自分だと分かる、つまり「自分を認識している」ことを明らかにしました。これは魚にも「こころ」があることを示しています。従来の人間中心主義の価値感を見直す時が来ているのかもしれません。

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幸田 正典 特任教授

資金情報

・科学研究費補助金・挑戦的研究(開拓) 2019-2021「脊椎動物の自己意識の起源の解明:魚類の鏡像自己認知、意図的騙し、メタ認知から
・科学研究費補助金・挑戦的研究(萌芽) 2017-2018「脊椎動物における顔認識機構とその進化:魚類の顔認識様式の解明から」
・大阪市立大学重点研究 2018-2019「ヒトを含む脊椎動物の社会認知とこころの進化:魚類や小型哺乳類の認知機構の解明から」

取材に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院理学研究科
特任教授 幸田 正典(こうだ まさのり)
TEL:06-6605-2739
E-mail:kohda.tanganyika[at]gmail.com ※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp ※[at]を@に変更してください。

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