最新の研究成果

健康食品・サプリの開発へ! 野菜に含まれる超硫黄分子の定量検出に成功

2023年2月22日

  • プレスリリース
  • 理学研究科

本研究のポイント

◇野菜に含まれている超硫黄分子※1の定量検出に成功。
◇タマネギ・ニンニクなどのネギ属だけでなく、ブロッコリー・コマツナなどのアブラナ属にも硫黄が多く含まれていることを発見。
◇食品中の超硫黄分子に関する研究の基盤を確立。

概要

大阪公立大学 大学院理学研究科 笠松 真吾助教、居原 秀教授らの研究グループは、タマネギやニンニクなど22種類の野菜に含まれる超硫黄分子総量および高反応性超硫黄分子の定量的検出に成功しました。

超硫黄分子は身体の中で酵素的に産生され、ミトコンドリアエネルギー産生や感染防御・免疫応答などさまざまな生命現象に重要な機能を果たしています。我々は超硫黄分子の生合成に必要な原料を食事から摂取しているため、食品中の超硫黄分子を詳しく解析することは、硫黄を豊富に含む食品の健康促進効果のメカニズムを解明する手がかりになります。

さらに、野菜の硫黄化合物総量を測定した結果、超硫黄分子はタマネギやニンニクなどのネギ属だけでなく、ブロッコリーやコマツナなどのアブラナ属にも多く含まれていることを世界で初めて明らかにしました。 本研究成果は、食品中の超硫黄分子に関する研究の基盤となり、本研究分野の大きな発展に寄与するものと考えられます。さらに今後、超硫黄分子を豊富に含んだ食品やサプリメントの開発に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2023年2月4日に国際学術誌「Food Chemistry」にオンライン掲載されました。

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古代エジプト人は硫黄を豊富に含むタマネギやニンニクなどの野菜に健康促進効果があることを知っていたとされています。本研究成果により、新規の抗酸化物質である超硫黄分子がタマネギやブロッコリーなどに豊富に含まれていることが明らかになりました。今後、食品中の超硫黄分子による健康促進効果の詳細を解明していきたいと考えています。

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   笠松 真吾 助教

用語解説

※1 超硫黄分子:硫黄原子が直鎖状に複数連結した構造を分子内に有する分子の総称。超硫黄分子には、アミノ酸などの代謝物のほか、タンパク質も含まれる。

資金情報

本研究は、科学研究費助成事業の学術変革A(21H05258, 21H05263)、基盤研究S(18H05277)、基盤研究B(21H02082)、基盤研究C(22K06148)、挑戦的研究(20K21256, 22K19397)、科学技術振興機構のCREST(JPMJCR2024)、喫煙科学研究財団、不二たん白質研究振興財団とアサヒグループ学術振興財団の支援を受けて実施されました。

掲載紙情報

発表雑誌: Food Chemistry
論 文 名: Development of methods for quantitative determination of the total and reactive polysulfides: Reactive polysulfide profiling in vegetables
著     者: Shingo Kasamatsu, Ayaka Kinno, Jun-ichi Hishiyama, Takaaki Akaike, and Hideshi Ihara
掲載URL: https://doi.org/10.1016/j.foodchem.2023.135610 



プレスリリース全文 (501.2KB)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 理学研究科
助教:笠松 真吾(かさまつ しんご)
E-mail:kasamatsu[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

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