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骨髄液フィブリンクロットが半月板修復に有効 ~半月板温存治療法の確立に期待~

2023年3月3日

  • 医学研究科
  • プレスリリース

本研究のポイント

◇ウサギ半月板欠損モデルでは、骨髄液フィブリンクロット1を使用した半月板縫合術は、末梢血フィブリンクロットを使用した修復術や無処置の場合と比較して半月板修復が良好。

◇骨髄液フィブリンクロットを使用した半月板縫合術が普及することで、半月板を温存できる症例の増加が期待。

概要

大阪市立大学大学院医学研究科 整形外科学の木下 拓也大学院生、橋本 祐介講師、中村 博亮教授らの研究グループは、ウサギ半月板損傷モデルを用いて半月板の治療法について検証した結果、骨髄液フィブリンクロットを使用した半月板縫合術が、末梢血フィブリンクロットを使用した縫合術や無処置の場合と比較して、半月板の修復が良好であることを明らかにしました。
半月板は、スポーツ外傷や加齢的変化によって損傷しますが、損傷すると治癒しにくく、安易に切除されてしまうケースは少なくありません。その場合、変形性膝関節症へ進行する可能性があるため、できる限り半月板を温存できる治療法の確立が求められています。
本研究によって、ウサギ半月板損傷モデルにおける骨髄液フィブリンクロットを使用した半月板縫合術が半月板の修復に有効であることが明らかになり、半月板温存治療法の確立と普及に繋がることが期待されます。
本研究成果は、国際学術誌「Arthroscopy」にオンライン掲載されました。

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術後12週での組織像
 骨髄液フィブリンクロット使用群が半月板修復良好

我々スポーツグループが注目し取り組んでいる『骨髄液フィブリンクロットを使用した半月板修復の治療』を、ウサギ半月板損傷モデルを使用し検証しました。臨床での手応え通り、骨髄液フィブリンクロットの使用により良好な半月板修復が得られました。
半月板は治癒しにくい組織で、修復手術は技術的にも比較的難易度が高いため安易に切除されている現状があります。本研究ができるだけ半月板を温存する治療方法の確立と普及の一助になれば幸いです。

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木下 拓也大学院生

掲載誌情報

【発表雑誌】Arthroscopy
【論文名】Bone Marrow-Derived Fibrin Clots Stimulate Healing of a Meniscal Defect  in a Rabbit Model
 【著者】Takuya Kinoshita, Yusuke Hashimoto, Kumi Orita, Ken Iida, Shinji Takahashi, Hiroaki Nakamura 
【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.arthro.2022.12.013 

プレスリリース全文 (463.9KB)

資金情報

本研究は、科学研究費助成事業 基盤研究C (21K09330) の支援を受けて行われました。

用語解説

※1 骨髄液由来フィブリンクロット:個体由来の骨髄液から作成した血餅(血液が凝固したもの)。

研究内容に関する問い合わせ先

医学研究科整形外科学
担当:木下 拓也
TEL:06-6645-3851
E-mail:zidane595[at]gmail.com
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:久保
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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