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原子核構造の違いを「可視化」することに成功 -元素はどこから来たのか? 原子核物理の究極の問いに迫る!-

2023年3月13日

  • 理学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇原子核構造の違いを実験で判別する理論を開発。
◇炭素・酸素には、殻構造よりもクラスター構造の成分が多く含まれていることを証明。

概要

大阪公立大学大学院 理学研究科の堀内 渉准教授、板垣 直之教授らの研究グループは、原子核構造の違いを実験で判別する理論を開発しました。これを炭素および酸素原子核に適用したところ、原子核の標準的な見方である殻構造(図)よりも、クラスター構造の成分が多く含まれていることが明らかになりました。

大規模な数値計算を行うことなく原子核構造の「可視化」を行うことができる本研究手法は、今後、より重い原子核への適用も期待でき、私たちの身の回りにある元素がどこから来たのか、という原子核物理学の究極の問いを解決できる可能性を示唆しています。

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図:(左)殻構造 (右)クラスター構造
赤玉と青玉はそれぞれ陽子と中性子を表す。

本研究成果は、2023年2月21日に国際学術誌「Physical Review C (Letter)」にオンライン掲載されました。

生命の誕生に極めて重要な役割を担う炭素や酸素は、恒星の中で生まれたと考えられています。成熟した恒星中の原子核反応は、クラスター構造を持つ原子核がより多く合成されます。今後はさらに重い原子核の構造を調べ、私たちの身の回りにある元素の起源の謎を解き明かしたいと思っています。

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堀内 渉 准教授

 

掲載誌情報

【発表雑誌】Physical Review C (Letter)
【論 文 名】Imprints of α clustering in the density profiles of 12C and 16O
【著  者】W. Horiuchi and N. Itagaki
【掲載URL】https://journals.aps.org/prc/abstract/10.1103/PhysRevC.107.L021304

プレスリリース全文 (525.9KB)

資金情報

本研究はJSPS科研費18K03635、22H01214、22K03618の一部助成を受けたものです。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 理学研究科
准教授:堀内 渉(ほりうち わたる)
TEL:06-6605-2639
E-mail:whoriuchi[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

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