最新の研究成果

災害時 緊急時の水源確保に一助『非常時地下水利用指針(案)』を作成

2023年3月13日

  • 現代システム科学研究科
  • プレスリリース

大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科 遠藤 崇浩教授らの研究グループは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」(研究推進法人:国立研究開発法人防災科学技術研究所)を活用した研究成果の一部として「非常時地下水利用指針(案)」を作成しました。

なお、本指針は内閣官房水循環政策本部事務局「地下水マネジメント推進プラットフォーム」のHPにも掲載されました。

概要

日本では全国どこでも水道網が整備され、蛇口をひねれば水が出てくることが当たり前になっていますが、ひとたび断水が生じると日常生活に著しい支障が生じます。これは1995年の阪神・淡路大震災で広く知られましたが、その後も2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨などでも生じ、そのたびに大きな社会問題になっています。そこで上水道が復旧するまでのつなぎとしての注目を集めているのが被災地の足元にある地下水です。この指針(案)は災害用井戸について、取り組みの歴史、現在の普及状況、有効性と課題、普及に向けたノウハウなど様々なトピックをQ&A 方式でわかりやすくまとめたものです。

非常時地下水利用指針(案)

現代システム科学研究科 遠藤 崇浩教授

「災害後に井戸があって助かった」という声は災害後の報道でよく目にしますが、その多くは隣近所の助け合いによるものです。そのため自治体の給水活動に比べて記録が少なく、その実態が不明でした。そこで文献調査に加え、過去の新聞報道、井戸の持ち主へのアンケート、インターネットアーカイブ、現地での聞き取りなど様々な手法を駆使して集めた情報を分かりやすく整理したものが本指針(案)です。この指針(案)が災害用井戸の更なる普及につながれば幸いです。

えんどう たかひろ教授

参考情報

・非常時地下水利用指針(案)PDF

・内閣官房水循環政策本部事務局「地下水マネジメント推進プラットフォーム」

・公益財団法人リーバーフロント研究所 

 ・直近の遠藤 崇浩教授の研究リリース
「熊本地震での実態を調査 非常用水源としての災害用井戸の有効性を実証」効性を実証」

研究に関するお問い合わせ先

大阪公立大学大学院 現代システク科学研究科
教授 遠藤 崇浩(えんどう たかひろ)
TEL:072-254-9646
E-mail:endo[at]omu.ac.jp ※[at]@に変更してください。

報道に関するお問い合わせ先

広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp ※[at]を@に変更してください


該当するSDGs

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