最新の研究成果
札幌・仙台・熊本市の災害用井戸を調査 井戸水利用度に差が生じた背景が明らかに
2023年6月23日
- プレスリリース
- 現代システム科学研究科
ポイント
◇災害用井戸登録数に対し、3都市の間で震災後の井戸水利用に大きな差があることが明らかに。
◇井戸水利用度の差が生じた背景には、電力と水道復旧のタイミング、平時における社会関係資本の蓄積を指摘。
概要
大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科 遠藤 崇浩教授らの研究グループは、2010年以降に震災被害を受けた三つの政令指定都市(札幌市/2018年北海道胆振東部地震、仙台市/2011年東日本大震災、熊本市/2016年熊本地震)を対象に、災害用井戸登録事業者(井戸水の供給者)と高齢者関連施設(井戸水の需要者)に同一質問紙によるアンケート調査を行い、震災時地下水利用の実態を明らかにしました。本調査方法による都市間比較は世界初の試みです。また災害用井戸のさらなる活用のために必要な政策課題も指摘しました。
本研究成果は、2023年6月19日に国際学術誌「Hydrogeology Journal」にオンライン掲載されました。
災害用井戸の例 : 最も多く利用があった熊本市
災害用井戸の例 : 熊本市に次いで利用の多かった仙台市
昨年、我々は同じHydrogeology Journalに熊本地震における地下水利用に注目した論文を発表しました。今回はその対象を札幌市と仙台市に広げ、それら3都市における災害時地下水利用の違いとその理由を考察したものです。井戸は災害時に貴重な水源の一つになります。今回の論文が災害用井戸の普及に役立てば幸いです。
遠藤 崇浩教授
掲載誌情報
【発表雑誌】Hydrogeology Journal
【論 文 名】Governance of disaster emergency wells in three cities in Japan affected by earthquakes
【著 者】Takahiro Endo, Tomoki Iizuka, Hitomi Koga, Nahoko Hamada
【掲載URL】https://link.springer.com/article/10.1007/s10040-023-02649-y
本研究に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科
教授 遠藤 崇浩(えんどう たかひろ)
TEL:072-254-9646
E-mail: endo[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください
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