最新の研究成果
発展途上国における栄養不良のパラドックス ジンバブエの子どもが抱える肥満問題の実態を調査
2023年6月28日
- 生活科学研究科
- プレスリリース
ポイント
◇ジンバブエの子どもを対象とした「肥満」に関する調査。
◇14歳~19歳の15.8%が肥満または過体重。
◇問題の背景には保護者の認識不足やバランスの悪い食習慣。
概要
世界的問題である「肥満」。栄養不足・飢餓などの問題で注目されている発展途上国でも、実際には肥満の問題が深刻化しています。
大阪公立大学大学院生活科学研究科のAshleigh Pencil大学院生(大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程3年)、早見 直美講師ら研究グループは、ジンバブエの首都ハラレに住む14歳~19歳の子ども423名を対象に、肥満に関する調査を実施。その結果、15.8%が肥満または過体重であることが明らかになりました。また、アンケート調査より、27.1%の子どもが肥満に対する認識が低く、その理由には保護者が公的教育を受けていないこと、および食習慣に関する知識が不十分なことが有意に関連していました。
調査に参加した子どもたち
本研究チームは今後、調査対象年齢を広げ、発展途上国における肥満問題の更なる解析を進める予定です。また、子どもの肥満問題の解決策については、保護者の教育背景にも配慮しながら、子どもたちの食習慣の改善への貢献を目指します。 本研究成果は、2023年5月13日に国際学術誌「Nutrients」にオンライン掲載されました。
肥満に対する認識を高めるべく、肥満予防・栄養教育プログラムを設計し、食生活に関連する疾病から子どもたちを守りたいと思っています。
ジンバブエにおける健康意識の変革が必要です。
Ashleigh Pencil大学院生
掲載誌情報
【発表雑誌】Nutrients
【論 文 名】Prevalence of Obesity and the Factors Associated with Low Obesity Awareness among Urban Adolescents in Harare, Zimbabwe
【著 者】Ashleigh Pencil, Tonderayi M. Matsungo, Nobuko Hongu, and Naomi Hayami
【掲載URL】https://doi.org/10.3390/nu15102302
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院 生活科学研究科
講師:早見 直美(はやみ なおみ)
TEL:06-6605-2818
E-mail:hayami[at]omu.ac.jp ※[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp ※[at]を@に変更してください。
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