最新の研究成果

口腔機能が低下していると転倒しやすいことが判明

2024年5月23日

  • プレスリリース
  • 研究推進機構

ポイント

◇50歳以降のオーラルフレイルと転倒リスクの関連性に着目。

◇オーラルフレイルは簡単なチェックリストで判定が可能。

◇オーラルフレイル対象者に転倒注意を喚起するなどの予防介入が重要。

概要

フレイルは、加齢とともに心身のはたらきが低下した状態のことです。身体能力や運動機能が低下した状態をさす身体的フレイルや、歯の喪失や口周り、舌、のどの筋力低下により、噛む力や飲み込む力が衰えた状態であるオーラルフレイルなどがあります。これまでに、運動能力や骨格筋量の低下は、咀嚼機能の低下と関連があることが報告されていますが、オーラルフレイルと転倒リスクの関係は分かっていませんでした。

大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター 横山 久代教授らの研究グループは、大阪府民におけるオーラルフレイルと転倒の関係に着目。スマートフォンアプリ「おおさか健活マイレージ アスマイル」の利用者を対象に、2020年と2021年に実施したWebアンケートに2年連続で答えた50歳以上の計7,591名の回答結果を分析しました。その結果、身体的フレイルであること、また、フレイルについての認知度が低いことに加え、オーラルフレイルであることが、その後1年間の転倒に関係していることが分かりました。オーラルフレイルの人は転倒リスクが高いということを周知することで、転倒の予防や介護の取組みの強化につながると考えられます。  

本研究成果は、2024年4月22日に「Geriatrics」にオンライン掲載されました。

<研究者からのコメント>

健康への関心が高く、日ごろから体を動かすことを心がけている方でも、「しっかりと噛め、何でも食べられる」ことに十分意識が向けられているとは限りません。研究結果が、皆さんが日常生活を振り返るきっかけになればうれしく思います。

pr20240523_yoko03横山 久代 教授

掲載紙情報

発表雑誌: Geriatrics
論 文 名: Oral Frailty as a Risk Factor for Fall Incidents among Community-Dwelling People
著     者: Hisayo Yokoyama, Yugo Kitano
掲載URL: https://doi.org/10.3390/geriatrics9020054 

研究内容に関する問い合わせ先

都市健康・スポーツ研究センター
教授: 横山 久代(よこやま ひさよ)
TEL:06-6605-2947
E-mail:yokoyama_hisayo[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

広報課 担当:谷
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

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