最新の研究成果

-高齢者の持続的な身体活動をサポート- ICTを活用した双方向型健康教育プログラムの効果を検証

2024年6月4日

  • リハビリテーション学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇健康教育プログラムへのZoomの活用で、同時双方向型のコミュニケーションを実現。
◇健康教育プログラムへの参加・継続率は良好、テキスト配布型のプログラムと比べて身体活動維持への効果も期待。

概要

健康づくりへのICT活用は、アクセス促進や参加・継続率の向上など、さまざまな効果が期待されます。しかし、健康教育プログラム実施者側からの一方通行の情報提供になりやすく、コミュニケーションも少ないことから、高齢者向け健康教育プログラムへのICT活用はあまり進んでいません。

大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科の上村 一貴准教授らの研究グループは、プログラムへのアクセスのしやすさと、対人交流による受け入れやすさを両立するため、Zoomを用いたアクティブラーニング形式の同時双方向型健康教育プログラムを提案(図1)。29名の参加者を2群に分け、本プログラムを12週間(週1回90分)受講した後の効果を、テキスト配布型プログラム(対照群)と比較しました。その結果、本プログラムの受講者は、参加・継続率が良好であること、また対照群と比べて受講終了後の身体活動維持への効果も十分に期待できることが分かりました。今後は、プログラムの実施規模を拡大してさらなる検証を進めることで、誰でも、どこからでも簡単に参加可能な高齢者向け健康プログラムの普及を目指します。

本研究成果は、2024年6月3日に、国際学術誌「Journal of Aging and Physical Activity」のオンライン速報版に掲載されました。

press_0604図1 Web会議によるアクティブラーニング形式の同時双方向型健康教育プログラムの流れ

人とのつながり・交流は、健康行動の変容・継続をサポートするうえで不可欠な要素と考えています。

本研究では、ヘルスケア領域での大きなトレンドであるICTの活用により、場所や距離に左右されない、持続可能性に配慮した新しい健康教育プログラムを提案します。

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上村 一貴准教授

掲載誌情報

【発表雑誌】Journal of Aging and Physical Activity
【論文名】Active Learning through Video Conferencing to Maintain Physical Activity among Older Adults: A Pilot Randomized Controlled Trial
【著者】Kazuki Uemura, Tsukasa Kamitani, Atsuya Watanabe, Hiroshi Okamoto, Kenshi Saho, Minoru Yamada
【掲載URL】https://doi.org/10.1123/japa.2023-0180

資金情報

本研究の一部は、科学研究費助成事業基盤研究(C)(JP21K11576)からの支援を受けて行われました。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科
准教授 上村 一貴(うえむら かずき)
TEL:072-950-2111
E-mail:kuemura[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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