最新の研究成果

1年以内の転倒確率を推定する「転倒確率評価ツール」(Calculation tool for predicting the Risk of Falls within the next year ; CaRF)を開発

2024年7月8日

  • 医学研究科
  • プレスリリース

研究のポイント

◇地域在住高齢者のデータベースを用いて、転倒リスクを評価するための計算式と高齢者自身でも入力しやすい転倒確率評価ツールを開発
◇高齢者の転倒を予防することで、健康寿命の延伸や医療費・介護費の抑制につながる

概要

大阪公立大学大学院医学研究科の豊田 宏光准教授、岡野 匡志特任教授と、兵庫県立大学 地域ケア開発研究所の林 知里所長は、1年以内に転倒する確率を推定する転倒確率評価ツール(Calculation tool for predicting the Risk of Falls within the next year ; CaRF)を共同開発しました。本研究は、洲本市と兵庫県立大学間の健康課題の抽出のためのデータの解析に関する業務委託契約に基づき実施されたものです。

「いきいき百歳体操」に参加し、体力測定や基本チェックリスト(日常生活動作や運動機能、閉じこもり、口腔機能、認知機能、うつなどに関するアンケート)に回答した地域在住高齢者のデータベースを用い、転倒リスクを評価するための計算式と高齢者自身でも入力しやすい転倒確率評価ツールを開発しました。
今回開発した転倒確率評価ツールは、転倒リスクを有する地域在住高齢者のスクリーニングにおいて医療従事者に有益な情報を提供し、予防およびフォローアップケアを計画する際の支援となると考えています。また、高齢者の転倒を予防することは、健康寿命を延ばすことだけでなく、医療費や介護費を抑制することにもつながるため、自治体の皆様に広く活用いただきたいと考えています。

本研究成果は、2024年6月15日に国際学術誌「Osteoporosis International」にオンライン掲載されました。

WHOコラボレーティングセンターが開発したFRAX®のような転倒を予測する計算ツールができればいいなと思い、本研究を着想しました。医療、介護の現場にお役に立てればと思います。

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豊田准教授、岡野特任教授

掲載誌情報

【発表雑誌】Osteoporos International
【論文名】Development and validation of a prediction model for falls among older people using community-based data.
【著者】Hayashi C, Okano T, Toyoda H.
【掲載URL】https://doi.org/10.1007/s00198-024-07148-8

資金情報

科研費 基盤研究(C)18K10645
介護予防へのモチベーション向上を目指した自立セルフモニタリングシステムの有用性

科研費 基盤研究(B)21H03273
壮年期からの健康セルフモニタリング能力を高める地域・職域包括ケアシステムの構築

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院医学研究科 整形外科学
准教授 豊田 宏光
E-mail:h-toyoda[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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