最新の研究成果

-耐久性が高い筏の普及を目指して- 牡蠣養殖で用いるポリエチレン製筏の性能を検証

2024年8月2日

  • 工学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇牡蠣養殖で用いる筏の新規素材として開発が進む、ポリエチレン製の筏の性能を検証。
◇現在主流となっている竹製筏と比べ、約5倍の耐久性があることを実証。

概要

牡蠣の養殖にはさまざまな方法があり、その一つとして筏を用いたものがあります。現在、筏の素材には竹が使用されていますが、大型の台風などで激しい波が発生すると壊れてしまうため、より耐久性の高い筏の開発が求められています。

大阪公立大学大学院工学研究科の二瓶 泰範准教授、田村 大樹氏(当時 大阪府立大学大学院工学系研究科 博士後期課程3年)らの研究グループは、耐久性の向上を目指して開発が進むポリエチレン製の筏の性能を、数値解析と模型実験から検証。ポリエチレン製の筏は竹製の筏に比べ、約5倍高い耐久性を持つことが明らかになりました。本成果によりポリエチレン製の筏の普及が進むことで、台風による筏の破損被害の減少や養殖業の発展に繋がることが期待されます。

本研究成果は、2024年7月2日(火)に国際学術誌「Ocean Engineering」のオンライン速報版に掲載されました。

press_oyster図1 筏を用いた牡蠣の養殖

牡蠣の養殖に用いる筏が台風によって破損する事例が報告されています。この対策として耐久性の高いポリエチレン製の筏が開発されており、数値解析と実験により新たな筏の性能を検証しました。実験模型の設計や製作には非常に苦労しましたが、上手く製作でき、想定通りの計測ができた時はとても達成感がありました。

press_tamura

田村 大樹氏

掲載誌情報

【発表雑誌】Ocean Engineering
【論文名】Motion characteristics and deformation performance of highly flexible polyethylene rafts for oyster farming
【著者】Hiroki Tamura*, Saika Iwamatsu, Kazuhiro Iijima, Yasunori Nihei *責任著者
【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.oceaneng.2024.118537

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院工学研究科
准教授 二瓶 泰範(にへい やすのり)
TEL:072-254-7446
E-mail:nihei[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

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