最新の研究成果
歯周病予防をバイオマスから目指す! フラボノイド誘導体の抗菌効果を検証
2024年8月2日
- 生活科学研究科
- プレスリリース
ポイント
◇食品由来のフラボノイド誘導体7種類について、歯周病原細菌に対する抗菌効果を検証。
その内、柑橘類とココナツ由来のプルニンラウリン酸エステル(Pru-C12)の有効性が判明。
概要
歯周病は歯周病原細菌の感染によって引き起こされ、口腔だけでなく全身の健康に影響を及ぼす炎症性の疾患です。歯周病を予防するためには口腔ケアが不可欠ですが、市販の口腔衛生用品の多くは殺菌剤として開発されており刺激が強いため、特に幼児や高齢者の使用には適していません。そのため、どの年代でも使用しやすく、効果的に歯周病を予防できる口腔衛生用品の開発が望まれています。
大阪公立大学大学院生活科学研究科の神谷 重樹教授、矢澤 彩香准教授、農学研究科の阪本 龍司教授、獣医学研究科の三宅 眞実教授、安木 真世准教授らの研究グループは、抗菌活性を持つプルニンラウリン酸エステル(Pru-C12)など食品由来のフラボノイド誘導体7種類について、歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)に対する抗菌効果を検証しました。その結果、プルニンラウリン酸エステル(Pru-C12)が最も抗菌活性が高いことが判明しました。また、Pru-C12は無味で低刺激性であるため、使用しやすい口腔衛生製品の開発につながる可能性があります。
本研究成果は2024年6月18日に、国際学術誌「Foods」にオンライン掲載されました。
これまでに知られている食品成分やその誘導体から新たな機能性を見出すことは大変有意義なことと考えています。これからもこのような研究を続けていきたいと思います。
神谷 重樹教授
掲載誌情報
【発表雑誌】Foods
【論 文 名】Prunin Laurate Derived from Natural Substances Shows Antibacterial Activity against the Periodontal Pathogen Porphyromonas gingivalis
【著 者】Erika Wada, Chiharu Ito, Mai Shinohara, Satoshi Handa, Miki Maetani, Mayo Yasugi, Masami Miyake, Tatsuji Sakamoto, Ayaka Yazawa, Shigeki Kamitani
【掲載URL】https://doi.org/10.3390/foods13121917
資金情報
日本学術振興会(JSPS )科学研究費 17K00867
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院生活科学研究科
神谷 重樹(かみたに しげき)
TEL:072-950-2111 ext. 3181
E-mail:skami[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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