最新の研究成果

オールドニュータウンをヘルシーニュータウンに -泉北ニュータウンでの福祉転用事例から-

2024年10月25日

  • 生活科学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇泉北ニュータウンでは、地域コミュニティが主導して、地域の「空き」を福祉転用した。
◇泉北ニュータウンは、ヘルシーニュータウンへと変容しつつある。

概要

大阪府の泉北ニュータウンでは、1994年に約17万人に達した人口が、現在は約11万人程度まで減少しており、高齢化率も37%に上るなど、典型的なオールドニュータウンへ変容しました。一方で、その人口構成は日本の10年先の将来を示しており、高齢化問題に対する有効的なまちづくりやビジョンの構築が模索されています。

大阪公立大学大学院生活科学研究科 都市科学研究室の加登 遼講師と、森 一彦大阪市立大学名誉教授は、「泉北ほっとけないネットワークプロジェクト」に、アクションリサーチ1として関与してきました。本プロジェクトでは、地域コミュニティが主導して、空き住戸や空き店舗、空き家を福祉転用させる特徴的なまちづくりを行ってきました。これらの福祉転用は、オールドニュータウンをヘルシーニュータウンに変容させる有効性を示しています。

本研究成果は、2024年10月9日に国際学術誌「Habitat International」のオンライン速報版に掲載されました。

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本学大学院生活科学研究科は、過去15年以上に渡り、堺市とのイノベーションアカデミー事業などを通して、堺市南区の泉北ニュータウンにおけるまちづくりに関わってきました。本研究は、アクションリサーチとして、総合知などを意味するTransdisciplinaryを集結して取り組んできた成果の一部です。

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加登 遼講師

掲載誌情報

【発表雑誌】Habitat International
【論文名】Community-led Urban Transformation Project as Transdisciplinary Approach: Case of Senboku Hottokenai Network Project
【著者】Haruka Kato, Kazuhiko Mori
【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.habitatint.2024.103197

資金情報

本研究は、JSPS科研費(24K17421)とJST COI-Next(JPMJPF2115)の支援を受けて実施しました。

用語解説

※1 アクションリサーチ…地域の問題解決を目的に、研究者と実践者が協力して行う実践的な研究手法。計画、実施、評価、改善のサイクルを通じて、実際の状況に変化をもたらす。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院生活科学研究科
講師 加登 遼(かとう はるか)
E-mail:haruka-kato[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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