最新の研究成果

ウルトラファインバブルシャワーがアトピー性皮膚炎の症状を抑えることをマウスで確認

2025年2月14日

  • 医学研究科
  • プレスリリース

概要

アトピー性皮膚炎はかゆみや湿疹が繰り返し起こる慢性疾患で、主に遺伝的な要因とアレルギーなどによる環境的な要因が、症状の発症や悪化の原因になるといわれています。近年は治療薬の開発も進んでいますが、感染症への罹患により薬が使用できない場合や治療薬が高額であるなどの課題もあるため、薬を使用せずに症状を軽減する方法が求められています。

大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学の鶴田 大輔教授、今西 久幹准教授、松本 彩希大学院生(大阪市立大学大学院医学研究科 博士課程4年)らと、株式会社サイエンスの共同研究グループは、高い洗浄力や保湿効果があることで知られているウルトラファインバブル(UFB)シャワーの、アトピー性皮膚炎に対する効果を検証。遺伝的要因および環境的要因からアトピー性皮膚炎を発症させたマウスモデルを、UFBシャワー群、通常シャワー群、無処置群の3群に分け、1日1分、計7~14日間患部にシャワーを当て、炎症度合いの変化などを検証しました。その結果、環境的要因によりアトピー性皮膚炎を発症したマウスモデルでは、UFBシャワー群、通常シャワー群ともに炎症が抑制され、炎症による皮膚の厚みも改善することが分かりました。またUFBシャワー群では、皮膚のバリア機能も改善していることを確認しました。

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本研究成果は、2024年12月26日に国際学術誌「Frontiers in Immunology」のオンライン速報版に掲載されました。

アトピー性皮膚炎は多くの方が悩まされている皮膚疾患であり、生活の質を大きく損ねます。ウルトラファインバブルシャワーはすでに普及していますが、皮膚疾患に対する影響は不明でした。誰もが日常生活で使用するシャワーが生活の質向上の一助になれば幸いです。

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松本 彩希大学院生

掲載誌情報

【発表雑誌】Frontiers in Immunology
【論文名】Beneficial effects of ultrafine bubble shower on a mouse model of atopic dermatitis
【著者】Ayaki Matsumoto*, Hisayoshi Imanishi*, Mika Yamanaka-Takaichi, Masateru Hirae, Daisuke Tsuruta and Kozo Nakai
【掲載URL】https://doi.org/10.3389/fimmu.2024.1483000

資金情報

本研究は、株式会社サイエンス、大阪市イノベーション創出支援補助金事業より助成を受け実施しました。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院医学研究科
准教授 今西 久幹(いまにし ひさよし)
大学院生 松本 彩希(まつもと あやき)
TEL:06-6645-3826
E-mail:imanishi12[at]omu.ac.jp
              x21584s[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

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