
最新の研究成果
人と一緒に食事をすることが高齢者の低栄養を防ぐ可能性
2025年2月27日
- 生活科学研究科
- プレスリリース
概要
<ポイント>
◇高齢者の食事摂取量は年齢とともに減少し、栄養が不足しやすくなる。
◇高齢者における一緒に食事をする人数(共食人数)と食事摂取量の関連を調査。
◇共食人数が2人以上の場合、エネルギー摂取量が多いことが判明。
<概要>
高齢者の食事摂取量は年齢とともに減少し、栄養が不足しやすくなるといわれています。日本では高齢化や核家族化に伴い少人数での食事や孤食が増えており、高齢者における食事摂取量や栄養バランスの確認は重要な課題です。
大阪公立大学大学院生活科学研究科の渡辺(皆川) 祐希研究生、鵜川 重和教授らの研究グループは、64歳~65歳の男女2,865人において、一緒に食事する人数(共食人数)と食事摂取量の関係を調査。共食人数が0人の時と比べて、2人以上の時にエネルギーや栄養素の摂取量が多いことが分かりました。さらに、食品の種類ごとに解析したところ、共食人数が2人以上の人は、米や肉、油脂、野菜、果物、きのこを多く摂取していることが明らかになりました。本研究結果により、高齢者が人と一緒に食事をすることは、多種類の食品摂取が促され食事摂取量が増えるため、低栄養を防ぐ可能性があることを示しました。
本研究成果は、2024年12月26日に国際学術誌「Nutrients」にオンライン掲載されました。
誰かと一緒に食べること(共食)に関するエビデンスを構築していくことで、効果的な共食につながる場の創出ができると考えています。管理栄養士として、健康的で持続可能な食環境づくりの推進に貢献するため引き続き研究を進めていきます。
渡辺(皆川) 祐希研究生
掲載誌情報
【発表雑誌】Nutrients
【論 文 名】The Association of Dining Companionship with Energy and Nutrient Intake Among Community-Dwelling Japanese Older Adults
【著 者】Yuki Minagawa-Watanabe, Shigekazu Ukawa, Tomoe Fukumura, Satoe Okabayashi, Masahiko Ando, Kenji Wakai, Kazuyo Tsushita, Akiko Tamakoshi
【掲載URL】https://www.mdpi.com/2072-6643/17/1/37
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院生活科学研究科
教授 鵜川 重和(うかわ しげかず)
TEL:06-6605-2897
E-mail:ukawa[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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