座談会 第4回(2022年度修了)

受講生

野上智之さん 2022年度受講生/鳥越克裕さん  2022年度受講生

インタビュアー

受講アドバイザー(司会)山田裕美先生

アントレプレナーシップをめぐり、知力を鍛える日々でした

問い続けることが第一歩

受講アドバイザー

おふたりはどうしてこの講座を受けようと思われたのですか?

野上さん

新聞で募集を見つけ、直感的に受講を決めました。仕事で中小企業の経営支援をしていますが、コロナ禍で先が見えない時代になり「新しいことにチャレンジしないとダメだ」という思いが強くあったので、アントレプレナーシップについて学ぶことは、自身の業務に役立つだろうと思いました。

鳥越さん 

私はメーカーに勤務していますが、「イノベーションが起きなければ今後日本はどうなるのだろう」という危機感がありました。日本のエレクトロニクス業界はもはや世界のメジャープレイヤーでは無くなっていますし、台湾の企業が発表したEV車の開発スピードなどを見ていると自動車業界も先行きが怪しい。現状を打破するには、日本にアントレプレナーシップの教育が必要だと思うのです。会社で人材育成に携わった経験から、その分野に興味があったこともあり、アントレプレナーシップと教育に関して知見を得たいと考えました。

鳥越さん(左)と野上さん(右)受講生の鳥越さん(左)と野上さん(右)

受講アドバイザー

実際に受講した感想をお聞かせください。

鳥越さん

始める前は漠然と「起業家精神が必要だ」と考えていましたが、授業で広瀬先生から「アントレプレナーシップとは何か」ということをより深く意識する機会をいただき、いつも自問自答していました。
最後の発表で自分なりの定義付けをしましたが、振り返ってみると自問自答すること自体がアントレプレナーシップの学びであり、やっと片足入れたのでは、という感じです。

野上さん

わたしも当初は「起業するかは別として、新しい何かにチャレンジすること」と考えていましたが、講義を受けてわからなくなりました。しかし「中小企業の起業とスタートアップは別物である」ということは、はっきりと理解できました。スモールビジネスは既存のマーケットで既存のビジネスモデルを踏襲しますが、スタートアップが手掛けるのは今までにない全く新しいビジネスモデルであり、0から1を生み出すイノベーションなのです。

野上さん

ハイレベルな授業と仲間

鳥越さん

プログラムでいえば、現場の第一線で活躍されている鐘ヶ江先生と広瀬先生というタイプの違う師が在籍されているのがユニークでした。鐘ヶ江先生がMOT(技術経営)に関する手法についてケーススタディを通じて分りやすく教えてくださる一方、広瀬先生はこちらの固定観念を打ち砕く授業をされ、どちらも大変刺激的でした。また広瀬先生の授業ではいつも「問われて、思考し、すぐ答えを出す」ことが求められるので、久しぶりに脳に心地よい汗をかくことができました。

野上さん

広瀬先生はブルドーザーみたいでしたね。こちらの固定概念を良い意味で崩していただきましたし、愛情を持って接していただきました。

受講アドバイザー

本当その通りです。

鳥越さん

また授業の流れとして、eラーニングやオンライン授業、ハイフレックスの対面授業と、複合的に学習できるのも良かったです。

野上さん

対面があったからこそ、共に学んだ仲間との出会いがありました。銀行家からスタート起業家までさまざまな人が集まっており、専門課程の講義後は飲食店に移動してその日の課題などを皆で議論しました。それぞれの立場からの視点や意見に触れることができ、とても刺激的でした。

鳥越さん

海外で活動する起業家の方の意見は、日本の会社員である私らの常識と全く違うのが新鮮でした。日本では予めリスクを検討しますが、スタートアップ起業家やベンチャー起業家は「まずやってみて、ダメなら考えたらいい」というスタンスでした。

野上さん

日本企業では、リスクの有無が判断基準になることが多いと感じています。失敗も許されない風土があり、イノベーションを興すのはなかなか難しいですよね。

鳥越さん

それぞれの立場で挑戦を続ける

受講アドバイザー

受講を終えて、今後の目標を教えてください。

野上さん

教員になれるかどうかは不明ですが、大学で授業をするだけでなく、学生との交流を持ちたいと考えています。最初は教員の手伝いから始めて、教員という職業について学びたいですね。

鳥越さん

私は産学連携分野に力を入れていきたいです。理系のイノベーションは充実していますが、メーカーと文系学生とを繋ぎ、事務系のイノベーションを促進するサポートをしてみたいと思います。

受講アドバイザー

最後に、当コースを検討されている方へメッセージをお願いします。

野上さん

今までの経験と学びの「知の繋がり」、受講生や先生との「人との繋がり」を得ることができます。非常に刺激的ですから、ぜひとも参加してください。

鳥越さん

経営学の分野での専門職大学やコースは増加していますが、教えることを教わる講座は少なく、当コースは貴重です。非常に体系立てて練られたコースになっていて学び甲斐がありますので、まず第一歩、行動してみてください。

鳥越さん・野上さんから受講をお考えの方へのメッセージ