自動充填システム
沿革と目的
2019年5月、中百舌鳥キャンパス内の3基の液体窒素(LN2)タンクに液体窒素自動充填装置が設置されました。現在、全学共用機器の一つとして工学研究科、生命環境科学研究科、理学系研究科等多くの部局、機構の100以上の研究グループにより実験・研究に使用するLN2汲出しのため利用されています。
これまで汲出しを行う際には、汲出し者がLN2タンクの手動バルブを開閉してセルファー、ベッセルと呼ばれる各種容器に充填しており、充填方法に個人差があるため、各タンクで「購入液体窒素重量に対する容器への液取重量の比率(収率)」が異なり、各タンクでLN2の単価が異なっていました。
このような状況の下、LN2汲出し者が円滑・安全に容器に充填できること、充填時の無駄をなくして収率を安定化し、「単価」を設定すること、利用履歴を電子データとして自動収集して料金徴収することを目的とし、液体窒素自動充填装置が導入されました。当該装置は図1の通り、LN2タンクから配管によりLN2を導入し、電磁弁の開閉により自動的に容器に供給します。また、利用者容器の管理、充填量の集計等が可能な装置です。台はかり式ロードセル、バーコードリーダー、充填制御盤、制御用パソコン、および集計ソフトで構成されます。
自動充填装置導入後は、LN2を円滑・安全に容器に充填できることはもちろん、収率が安定して年間使用総量の目途が立ち、年度はじめにLN2の単価(円/kg)を設定することができます。また、校費だけではなくLN2利用料を外部資金で支払することにも対応しており、計画的な予算執行が可能となりました。さらに、学内にある3基いずれのLN2タンクからも同じ方法で汲み出しが可能となり、もう一つの新たなメリットとなっています。
最後に、皆様方の益々の利便性向上のため、今後もしかりとした共用機器の運用を目指して行きます。