院生談話会

院生談話会(2024年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。
これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D3 小川 智史(sn22894n[AT]st.omu.ac.jp)
D3 武中 亮(sn22893m[AT]st.omu.ac.jp)
D2 溝口 史華(sw23882u[AT]st.omu.ac.jp)

院生談話会 年度別一覧

日時 2024年11月13日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 國分海斗(東京理科大学大学院理学研究科数学専攻D2)
タイトル 非線形分散型方程式の孤立波解とその安定性
場所 大阪公立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)
アブストラクト 非線形 Schrödinger 方程式などに代表される非線形分散型方程式は, 電磁波や水面波など, 様々な波動現象を記述する偏微分方程式として知られている. これらの方程式は, 波を空間方向に分散させる構造 (分散性) と, 1点に集中させる構造 (非線形性) をもち, 特に分散性と非線形性が釣り合うとき, いくら時間が経過しても形状が保たれる「孤立波」が現れる. この孤立波に摂動を加えたとき, その波が孤立波の近くに留まり続けるならば, 孤立波は安定である. また, 孤立波の形状は, 非線形分散型方程式から導かれる楕円型方程式 (定常問題) によって決定され, 孤立波の安定性解析においては, 定常問題の解がもつ変分的性質が重要となる. 本講演では, 定常問題の解の性質と孤立波の安定性について, 非線形 Schrödinger 方程式を例にとって説明する. また, 本講演の最後に, 現在研究していることを紹介したい.
日時 2024年6月13日(木) 17:00~18:00
講演者(所属) 小島道(九州大学大学院マス・フォア・イノベーション連係学府D1)
タイトル 2つの曲面の直積多様体のtrisection diagramについて
場所 大阪公立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)
アブストラクト trisectionとは連結で向き付けられた4次元閉多様体を3つのハンドル体に分解する,GayとKirbyによって導入された概念である.これは,3次元多様体論でのHeegaard splittingと似た概念である.そして連結で向き付け可能な閉曲面上の2組の本質的単純閉曲線族によってHeegaard splittingを表すHeegaard diagramと似た概念である,trisectionを表すtrisection diagramもGayとKirbyによって導入された.本講演では,Williamsによって与えられた2つの閉曲面の直積多様体のtrisectionの構成法と,それから得られるtrisectionのtrisection diagramについて紹介する.そして,本講演の最後に,境界付き曲面と閉曲面との直積多様体の場合について考えていることについて話す.