研究基盤共用について

先端研究基盤共用促進事業

平成29年度に大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院理学研究科が文部科学省・先端研究基盤共用促進事業「新たな共用システム導入支援プログラム」に採択されたのを契機に、大学が有する研究設備等を学内外の機関や企業等の研究者で共同利用できる環境を整備することにより、研究活動の活性化と研究力の向上に貢献することを目的として、研究基盤共用センターを平成31年2月に設立しました。また、令和元年度には、大阪大学、奈良高専とともに、文部科学省「先端研究基盤共用促進事業(研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラム(SHARE))」に採択され、機器利用による産学官連携も推進しております。その取り組みの一環として、国内でも有数の先端ESR/EPR装置の共用化に取り組んでおります。

先端計測・分析機器としてのESR

電子スピン共鳴(ESR)法または電子常磁性共鳴(EPR)法は、「電子スピン」の磁気共鳴現象を利用する測定手法で、核スピンを利用したNMRといわば親戚関係にあります。ESR/EPR法は化学、物理、生物、医薬分野のほか、材料科学やエネルギー関連分野など様々な分野で利用されている分析手法です。大阪市立大学(現・大阪公立大学)では、汎用のESR/EPR分光器のほか、ブルカーバイオスピン者と共同開発した特別仕様をもつQ-band(34GHz)パルス分光器や、高周波W-band(94GHz)パルス分光器など、国内オンリーワンの先端機器を有してきました。新大学においても、これら先端ESR/EPR分光器の共用化を図り、学内外の研究者・技術者に活用してもらえる共用システムの構築を進めていきます。また、大学・研究機関のほか、産業の発展を目指す企業の方々にも対応できる共用システムの拡充と技術支援体制の構築も進めてまいります。