セミナー
コロキウム・セミナー情報
・当素粒子論研究室では、数理物理研究室と合同でセミナーを行っています。
○数理物理・素粒子論セミナー
詳細は数理物理研究室のセミナー情報のページをご覧ください。
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☆2023年以降のセミナー情報はここにも掲示いたします。
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・日時 : 2024年11月25日 9:00~
講演者 : 姉川 尊徳 氏(米子高専)
題目 : Dissipation in the 1/D expansion for planar matrix models
アブストラクト:We consider the thermal behavior of a large number of matrix degrees of freedom in the planar limit. We work in 0+1 dimensions, with D matrices, and use 1/D as an expansion parameter. This can be thought of as a non-commutative large-D vector model, with two independent quartic couplings for the two different orderings of the matrices. We compute a thermal two-point correlator to O(1/D) and find that the degeneracy present at large D is lifted, with energy levels split by an amount ∼1/D . This implies a timescale for thermal dissipation ∼D. At high temperatures dissipation is predominantly due to one of the two quartic couplings.
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・日時:2024年7月4日(木)16:00-17:30
講演者:入谷 寛 氏(京大理)
題目:GIT商の量子コホモロジーと爆発公式
要旨:量子コホモロジーは射影多様体(あるいはシンプレクティック多様体)の中の有理曲線を数えることにより得られるコホモロジー環の変形族である.量子コホモロジーは変形パラメータに関する解析接続を通じて,その多様体の双有理幾何学と深い関係がある.本講演では,GIT商の量子コホモロジーが元の多様体の同変量子コホモロジーのフーリエ変換として得られる,というTelemanの予想(のD加群版)について紹介し,それを用いた量子コホモロジーの爆発公式(量子コホモロジーD加群の形式的分解)の証明について解説する.
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・日時:2024年6月20日(木)16:00-17:30
講演者:Nick Dorey氏(ケンブリッジ大学DAMTP)
題目:Building a Black Hole from Instantons
要旨:TBA
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・日時 :2024年6月20日(木) 13:15〜
概要:ブラックホールは極めて高密度な天体である。そのあまりにも強過ぎる重力のため に、一度ブラックホールのホライズンと呼ばれる境界より中に入ってしまうと、少なくとも古典力学の範囲では光でさえ脱出する事が不可能になる。この強力に曲がった時空に現代物理学の根本である量子力学を適用すると非常に奇妙なことが起こる。本談話会ではブラックホールの量子論に端を発したさまざまな理論物理学の豊かなアイデアの片鱗を少し紹介したい。
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・日時 : 2024年5月16日(木)13:15〜
Title: The hidden conformal symmetry of AdS2xS2 correlators
Abstract
Correlators of a certain one-dimensional superconformal field theory dual to scattering of hypermultiplets in AdS2×S2 exhibit a hidden four-dimensional conformal symmetry which allows one to repackage all tree-level 4-point correlators into a single four-dimensional object corresponding to a contact diagram arising from a massless φ^4 theory in AdS2×S2. This theory serves as a toy model for IIB string theory in AdS5×S5 and is interesting in its own right because AdS2xS2 describes the near-horizon limit of extremal black holes in four dimensions.
In this talk, I will argue that all 4-point one-loop correlators, after acting with the SU(1,1)×SU(2) Casimir, can similarly be recast in terms of a four-dimensional function which arises from a one-loop scalar bubble diagram in AdS2xS2. Finally, I will present a new scalar effective field theory with a derivative interaction in AdS2×S2 whose Witten diagrams should directly reproduce 4-point correlators to all loops without acting with Casimirs.
The talk is based on a recent work (https://arxiv.org/abs/2312.15678) in collaboration with Paul Heslop and Arthur Lipstein.
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・日時 : 2024年5月9日、5月10日 13:15〜
素粒子の標準模型は現在観測されているほとんどの観測結果と明確には矛盾しておらず、電弱スケールより下の物理をうまく記述していると考えられている。しかし、標準模型には重力の量子論が含まれていなかったり、パラメータに不自然な階層性があるなどの疑問点あることが知られており、宇宙の究極の理論ではないと思われる。重力の量子論として最も有力だと考えられているのが超弦理論である。超弦理論は10次元時空上を運動する弦の力学であり、余剰6次元をコンパクト化する事によって、有効理論として4次元の場の理論が得られる。
超弦理論の4次元有効理論がどんなものであり、どうすれば計算できるのだろうか?
このセミナーではまず magnetized torus という手法をレビューし、超弦理論からどのように4次元有効理論が得られるかを紹介する。
この手法を用いると4次元有効理論に摂動的な離散対称性が現れることを示すことができる。離散対称性には様々なものがあるが、特に近年、モジュラー対称性と呼ばれるものが現象論で注目されている。これは4次元有効理論がコンパクト空間のモジュライのモジュラー変換のもとで不変であるという性質であり、この対称性を課すことで、自然に標準模型のフレーバー構造を実現できるのではないかと考えられている。
我々は magnetized torus の場合について理論のモジュラー対称性について考えた。さらにモジュラー対称性を課すことで自然に Froggatt-Nielsen 模型的な質量行列を実現し、クォークのフレーバー構造を実現できる模型を構築した。また、可能ならばどのように6次元の余剰次元を力学的に安定化させるかや、最近考えているCP対称性などについても話したい。
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・日時 : 2023年11月27日 9:00~
アブストラクト:
重力は自然界で最も弱い相互作用でありながら、
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・日時 : 2023年11月20日 9:00~
講演者 : 田中 章詞氏(理研)
題目 : 機械学習の物理学への応用について
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【関西地区セミナー2023年】
https://sites.google.com/view/2023kansaichiikiseminer/
2023年10月14日、大阪公立大学
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・日時:7月25日(火) 15:30〜 (インフォーマルセミナー)
Speaker: Hikaru KAWAI(National Taiwan University)
Title:
"Quantum Phase Transitions and Solving the Naturalness Problem in Generalized Field Theories."
Abstract:
In ordinary statistical mechanics, the extensive parameters (such as total volume and total energy) are more fundamental than the intensive parameters (such as temperature and pressure) in the sense that the latter are determined a posteriori by the former in the large volume limit. Furthermore, in a finite region of the extensive parameter space, the corresponding intensive parameters are automatically fixed to the first-order phase transition point.
Analogously, in conventional quantum field theory, coupling constants (including masses) in the path integral correspond to intensive parameters in the partition function of the canonical formulation.
Therefore, it is natural to expect that in a more fundamental
formulation of quantum field theory, coupling constants are dynamically fixed a posteriori in the large-volume limit, just as the intensive parameter in statistical mechanics.
In generalized field theories, we argue that an automatic fine-tuning is realized in which the coupling constant is fixed at the quantum phase transition point at zero temperature. This occurs even if the transition is of higher order due to the Lorentzian nature of the path integral.
This can be the basis for solving the naturalness problem.
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・日時 : 2023年7月14日(金) 11:00〜
Speaker: Benjamin Percival (University of Liverpool)
Title:
Moduli Fixing and D-term Uplifts of One-loop Potentials in Non-Supersymmetric Heterotic String Models
Abstract:
Within the free fermionic classification methodology of Z2 × Z2 heterotic strings, different avenues towards non-supersymmetric models are discussed. Some aspects of classifying asymmetric models are discussed, in particular the relation of moduli fixing to obtaining certain desirable phenomenological criteria. We explain the methodology that allows for the analysis of the Fayet-Iliopoulos D-term and the one-loop potential for such models, first for symmetric Z2 x Z2 orbifolds and then how this can be extended to the asymmetric case in which some internal moduli are fixed. We show examples of Z2 x Z2 non-supersymmetric symmetric orbifolds that exhibit a D-term uplift of their one-loop potential. We demonstrate this for models both in which the SUSY is broken spontaneously via Scherk-Schwarz, as well as explicit breaking.
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・日時 : 2023年7月12日 9:00~
講演者 : 大森寛太郎氏(東大)
題目 :非可逆的対称性について
アブストラクト:
対称性は理論物理学で重要な役割を果たすが、近年この対称性を一般化することで対称性に依拠した手法の適用範囲を広げようという試みが広くなされている。本トークではこのうち非可逆的対称性と呼ばれるものを中心に解説し、まず1+1次元イジング模型における例を見た後、これが3+1次元の種々のゲージ理論に現れることを見る。
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・日時 : 2023年6月23日 16:00~
場所: 第10講義室(E211),ハイブリッド配信
講演者 : 小嶌康史氏 (広島大学,先進理工系科学研究科(理),名誉教授)
題目 : J=kB の成分がある天体の磁場構造
アブストラクト:
天体スケールの構造(特に、方向性)がよりミクロの状態に起因する考えがある。
磁場と電流が平行となるベルトラミ性が関係する(生じる)フォースフリー磁気圏や
ミクロな乱流ダイナモなどの概念を紹介した後、 ベルトラミ磁場がある場合に
通常の磁気流体波動がどのように変更されるかを議論する。古典電磁気学と
非相対論の枠組みで、概念的理解を主眼とし、議論が盛り上がることを期待する。
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・日時 : 2023年6月21日 9:00~
講演者 : 世田拓也氏(京大基研)
題目 : 弦の散乱における過渡的カオス解析
アブストラクト:
古くから、高く励起された弦は自重で潰れてブラックホールに転移すると考えられて来た。一方で近年、ブラックホールはカオスで特徴づけられる事が分かって来た。これらを踏まえると、弦が何らかの形でブラックホールカオスの源になっていると考えられる。本講演では、高く励起された弦の散乱のカオス性について議論する。実際には入射角と散乱角のプロットにおけるフラクタル性や、弦の散乱領域の構造に注目する。その結果、少なくとも現時点では(ボソン弦の4点散乱振幅、ツリーレベル)カオスが確認できていないが、ループ補正を入れた場合や別のセットアップでカオスが出る可能性について議論する。
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・日時 : 2023年5月29日 9:00~
講演者 : 谷村省吾氏(名古屋大学大学院情報学研究科)
題目 : 量子性とは何だろう
アブストラクト:
物理学者にとって量子力学と古典力学の違いは重要だと思われますが、何をもって量子的と言うのでしょうか? 量子性(quantumness)とは、エネルギーが飛び飛びの離散的な値をとることでしょうか? 確率的な振る舞いのことでしょうか? 重ね合わせ状態でしょうか? 干渉効果でしょうか? 不確定性関係でしょうか? 摂動論のループ積分のことでしょうか? 量子論にはさまざまな特徴がありますが、ここでは、文脈依存性(contextuality)と呼ばれる特徴を解説したいと思います。文脈依存性は「物理量の値の実在性が、物理量を測るやり方に依存する」という奇妙な性質であり、量子力学的物理量が非可換演算子であることに起因します。ベルの不等式は「測定方法に依存しない物理量の値が実在する」という仮定から導かれる不等式ですが、量子論はベルの不等式が破れうることを示唆します。2022年のノーベル物理学賞は、ベルの不等式の破れを実験実証した3人の物理学者に贈られました。その問題設定と発見の意義を解説したいと思います。
参考資料:
https://www.phys.cs.i.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/NobelPhys2022/overview.html
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・日時 : 2023年5月22日 9:00~
講演者 : 谷崎佑弥氏(京都大学基礎物理学研究所)
題目 : Noninvertible symmetries in higher-dimensional QFTs
アブストラクト:
場の理論においてダイナミクスを直接解くことができないような強結合領域の物理を調べることは現代物理の大きなテーマの一つである。そのような手法の一つとして対称性の役割は大きく、物質の相の分類、対称性の自発的破れとそれに伴う低エネルギー定理、アノマリー釣り合い条件などはその主要な成果である。
この場の理論における対称性はこの10年で大きく一般化され、上に挙げたような有用な性質は”トポロジカルな演算子”という概念から導かれることが認識されるようになってきた。このような一般化された対称性として、近年特に非可逆的対称性というものが注目されてきている。高次元場の理論における一般化された対称性に関して、簡単なレビューを含みながら私の研究内容をいくつか紹介をしたい。
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・2023年5月17日 9:00〜(Zoomセミナー)
講演者:中山和則氏(東北大学)
タイトル: 暗黒物質の発見に向けて
アブストラクト:ミクロな世界を記述する物理法則として素粒子標準模型が大成功を収めているが、その一方で宇宙の物質の大部分を占める暗黒物質の正体は依然全く不明のままである。理論的には多種多様な暗黒物質の候補が挙げられており、それらの検出のためには従来の暗黒物質検出方法にとらわれない自由な発想が求められている。本講演では、こうした暗黒物質を巡る動向を概観し、さらに最近提案されている物性物理の特徴を活かした暗黒物質の検出方法について紹介する。
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・2023年5月10日 9:30〜(Zoomセミナー)
講演者:佐藤亮介氏(大阪大学)
タイトル: Axion Fragmentation
アブストラクト:Axion (およびaxion like particle) は素粒子模型にしばしばあらわれる、周期的ポテンシャルを持つ軽い擬スカラー粒子である。Axionの一様成分が初期宇宙などで十分大きな運動エネルギーを持っていた場合、一様成分が一定の速度を保ちポテンシャルを乗り越え転がり続けることができる。この過程において、一種の共鳴現象が起きることにより、Axionの空間的な揺らぎが指数関数的に成長し、axionの一様成分から運動エネルギーを奪うことができる。
本講演では、この現象を"axion fragmentation"と呼ぶことにし、摂動的な解析計算と非摂動的な数値計算により議論する。
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・2023年1月11日 9:00〜(Zoomセミナー)
講演者:岩崎昌子氏(大阪公立大学)
タイトル: 素粒子実験への機械学習適用
アブストラクト:近年、大型加速器を用いた素粒子実験への機械学習の適用開発が、活発に行われるようになった。機械学習、深層学習は、情報分野における最先端データ処理技術である。大量データから得られる情報を使って、データの「モデル」(入力変数と出力変数の関係性の記述)を構築することができる。あらかじめ明確なモデルを用意しなくても、様々なデータ処理が可能になる、という特徴がある。この特徴を活かすことで、従来よりも、高速、高効率、高性能なデータ処理が、期待されている。特に、近年の機械学習技術の発展により、低特徴データ(=生データ、またはそれに近いデータ)を用いた機械学習も可能になった。低特徴データを用いることで、より高精度な「モデル」構築が可能になり、より高性能なデータ処理が期待されている。本講演では、機械学習の簡単な導入、および、現在進めている、大型加速器を用いた素粒子実験への機械学習の適用開発状況を紹介する。