取り組み事例

2024年6月10日

  • 環境マネジメント推進室

【カーボンニュートラルの推進】「ECOアイデアコンテスト」開催!

環境マネジメント推進室長の大塚耕司教授は、2023年度はじめにこのように告げました。​

 「光熱費がとんでもないことになっている」​

昨今の社会情勢の悪化による影響で、 例年十数億円程度の光熱費が今年度は20億円を超える見込みになったそうです。一方で、財政状況が悪化しているなかでも学問や研究に影響が出ることは控えたいと、多くの方々が尽力されていることを知りました。しかし、危機的状況にあることを知らない教職員や学生も多いように思い、私たち学生委員にも何かできることはないかと考えました。 ​

「ECOアイデアコンテスト」立ち上げの経緯

☆本学に所属する全ての学生・教職員が一丸となってこの危機的状況を乗り越えるため​

☆当事者である自分たちが自らの問題として課題解決に取り組むため

 

エネルギー消費量を削減する、「これならできる」というアイデアを募集するコンテストを私たち環境マネジメント推進室の学生委員で立ち上げました。​

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△ECOアイデアコンテスト立ち上げの学生委員グループ 

これは初めての試みであり、すべては手探りで始まりました。募集要項やポスターも学生が作成したほか、どのような募集や選考方法にするのか、どのような副賞があれば応募につながるか…など、たくさんの話し合いと、多くの方々のご協力のもとコンテストの実施に至りました。​

「ECOアイデアコンテスト」の広報活動​

・学生団体連絡協議会を通じた部活動や​サークル等の各種学生団体への周知​

SNSや大学掲示板などによる情報の拡散

・キャンパス内へのポスター掲示​

・学生団体へのポスティング​

・学部ごとのメール周知(協力いただいた一部の学部)​

その結果…

応募総数73件!

 

優秀賞の決定​

選考委員会では、選考委員の方々による厳正な​議論の上、優秀賞を決定しました。​

優秀賞として最終候補に残った案はもちろん、応募頂いた計73件の案はどれも良い案ばかりで、選考委員の方々も頭を悩ませておられました。​

【主な論点】

実行可能性の高さ​

エネルギー消費量削減効果の高さ​ 

結果的に優秀賞5案が決定​

 

大塚委員長コメント​

当初の予想を大きく上回る数のアイデアが応募され、嬉しくまた驚いております。これほど関心を示してもらえたということは、それだけ危機意識が広がった=コンテストの目的の一部は達成したと思います。今後は良いアイデアを実現するため、より周知していくことが重要だと思います。​

選考委員コメント​

エコ活動を実現するには当事者自身の意識・行動が肝心なので、皆さんから73件という多くのアイデアが寄せられたことに将来への希望が湧いてきました。このような意識啓発につながる素晴らしい取り組みを進めてもらえたからには、省エネ意識を最大化する方策を考えるとともに、法人・大学として、積極的に具体化することが大事だと思います。また、様々な視点からいくつもの素晴らしい提案がありましたが、実現可能性の低いものや、実施場所が限定されているものなどは、今回取り上げませんでしたが、皆さんのアイデアからの気づきも多く、関係部署でも検討していく予定です。​

 

優秀賞(最終候補)5案紹介​

・省エネ委員会​ 発案:理学部2年 伊藤竜之介さん

各学部学科から1割の学生を省エネ係に任命します。任命された学生はバッチを身につけ、省エネ活動を率先して行います。活動時期は夏季と冬季です。講義室内に温度計を設置し、夏季は室温が最低28℃、冬季は最高20℃になるように空調温度を調整します。また、小講義室の空調フィルターの掃除を月に1回行います。さらに、講義室に人がいない場合は照明を消し、空調を切ります。​

・光熱費「見える化」 ​発案:写真部杉本 (学生団体)​

教室ごと、または建物ごとの月々の光熱費を計測し、そのデータを利用者が確認できるようにします。この光熱費を数値化し、「見える化」することで、学生たちは問題を自分事として捉え、各々の節約意識を高めることができます。実際には、どこで光熱費が高くなっているのかを明確にすることで、具体的な対策を講じることが可能になります。さらに、得られたデータを活用して、学生たちが自分たちなりの環境対策について考えるイベントも開催することが可能です。​

・公大節電大作戦​ 発案:エコロ助 (学生団体)​

主に中百舌鳥キャンパスの全学学生と教職員を対象に、202310月から当面の間、光熱費高騰への対策として、節電とガス電力使用に関する啓発活動を展開します。具体的には、共同PR、授業や研究室での呼びかけ、ポスター制作、学祭などのイベントで情報提供、SNSを通じた告知、節電パトロールの復活、節電アドバイザーの配置、情報収集と検証などを行います。​

・エアコン省エネ運動​ 発案:生活科学部1年 佐藤里帆さん

エアコンの温度管理について、夏場の夕方に室外気温が28度を下回った時点でエアコンを一斉に一度停止する提案をします。教室では、学生と教員に対し、授業終了時にエアコンを停止するよう呼びかけを行います。また、COOLBIZWARMBIZの呼びかけには、ポスターの掲示と一斉メール・学内Web掲示板を使用します。また、サーキュレーターの設置された教室と部屋に利用を促すポスターを掲示し、1限の授業を担当する教員にサーキュレーターを稼働させ、電源を切る際には、コンセントを抜くことも呼びかけます。​

・ベース電力の削減!​ 発案:TOSAFF (学生団体)​

常に使用している機器の電力を削減することで、省エネ効果が高くなると提案します。具体的には、実験機器などの定期的な点検、排熱口の掃除、帰宅するときに主電源を切ること、機器の稼働台数の集約、換気扇のフィルター掃除、冷蔵機器に太陽光を当てないこと、トイレ便座のフタを使用後に閉じることなどです。​

 

最優秀賞の決定​

9月の選考委員会を経て選ばれた5つの優秀賞の中から、10月に実施の全学投票によって最優秀賞が決定しました。​

投票は本学の学生・教職員全員を対象におこなわれました。​

そして、当事者自らが大学に提言するECOアイデアを決めました。これには、光熱費高騰を自分事として​考えてほしいという思いがあります。​

全学投票の後、11月に本学で開催した白鷺祭において最優秀賞の発表と表彰、また、惜しくも最優秀賞を​のがした4案についても優秀賞としての表彰が執り行われました。​本学の関係者のみならず、地域の方も参加される白鷺祭で表彰することで、より多くの人に環境問題に対する関心が広がることを期待しています。​

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△白鷺祭での表彰式の様子 

最優秀賞​

光熱費「見える化」

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 特別賞について​

受賞アイデア:「教室時間割」​

発案:工学部1年 寺本音羽さん​

施設課の方々に推薦していただきました。​

 

学生コメント​

このプロジェクトを開始するにあたり、大学の光熱費が数億円も増額することに、普段の学生生活ではまず聞くことのない桁であったため驚きを隠せませんでした。コンテスト開催の準備を進めていく中で、このことが1人でも多くの学生・教職員に伝わり、印象に残り、また興味をもってもらえるよう、内容構成や広報の仕方を工夫しました。​

結果としてコンテストの存在を周知することができ、想定を上回る多数の応募があったことで大きな達成感を感じました。今後、最優秀賞に選定された案を大学が実行に移し、エネルギー消費量削減につなげることはもちろん、本コンテストを通して大学として環境に与える影響やそれに対する責任、さらには本環境報告書を始めとする法人や学生団体の取り組みに関心をもっていただけることに期待します。​

このコンテストは光熱費高騰の危機を受け、当事者たちの発案したアイデアを大学に提言することを目的としています。皆さんに応募していただいたアイデアを、大学側がどのように実現していくのか、今後の動向については来年度の報告書に記載予定です。​ご期待ください。 ​

その他本法人の環境パフォーマンス・環境活動は「公立大学法人大阪 環境報告書」をご覧ください。

https://www.omu.ac.jp/about/efforts/environment/

該当するSDGs

  • SDGs07
  • SDGs13
  • SDGs17