取り組み事例
2024年6月17日
- 環境マネジメント推進室
中百舌鳥キャンパスのサクラを守れ
桜が今危ない!?
大阪公立大学中百舌鳥キャンパスには、「NIKKEIプラス1」(2016年2月27日版)に掲載された「大学の桜名所」ランキングにおいて、西日本の大学で2位となった桜があります。 その桜が、今、外来種によって危機に瀕しています。その状況をレポートします! |
外来種"クビアカツヤカミキリ"
中百舌鳥キャンパスの桜は、クビアカツヤカミキリという外来の昆虫によって被害を受けています。 クビアカツヤカミキリは、カミキリムシという昆虫の一種です。 サクラやモモ、ウメ、スモモなどのバラ科樹木に寄生し、幼虫が樹木の内部を食べて枯らしてしまいます。 主な生息地は中国や台湾、朝鮮半島、ベトナム北部などですが、 現在は日本にも生息しています。 日本では2012年に愛知県で最初の被害が確認されましたが、 その後、埼玉県、徳島県、群馬県など13都府県(2023年1月現在) に侵入してサクラ並木や果樹園などに大きな被害をもたらしています。大阪府内でも堺市、 大阪狭山市、富田林市、河内長野市などで被害が確認されています。 2018年1月に「特定外来生物」に指定されました。 |
中百舌鳥キャンパスでも、クビアカツヤカミキリによる被害が確認されています。 中百舌鳥キャンパス内には約350本の桜がありますが、2020年は 1本の桜の木に被害が確認され、2021年には7本、2022年には30本と確実に増えてきています。被害を受けている樹木は、C14棟などがある中百舌鳥キャンパスの東門付近に多く見られます。
左の写真は、クビアカツヤカミキリの幼虫が木の中にいるのかを探すヒントとなる「フラス」。 フラスとは、幼虫が木の内部から押し出す排出物で、木くずと糞が混ざったものです。 |
クビアカツヤカミキリの防除
クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定されているため、防除活動をおこなう必要があり、現在は2つの活動をおこなっています。 1つ目は、被害のある樹木にネットを巻くことです。樹木から出てくる成虫が他の場所へ飛んでいかないように、目合いの細かなネットで樹木に幼虫が穴を開けた箇所を覆い、その中に成虫を閉じ込めることができます。
2つ目は、学生による駆除活動です。
環境動物昆虫学研究グループおよび里環境の会の調査で、クビアカツヤカミキリの成虫は6月19日から7月6日までに計94個体を捕獲し防除することができました。6月28〜30日に最も多い60個体が捕獲されました。
大阪公立大学の桜の木を守るために、これからも防除活動をおこなっていく必要があります。
その他本法人の環境パフォーマンス・環境活動は「公立大学法人大阪 環境報告書」をご覧ください。
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