取り組み事例

2024年7月22日

環境マネジメント推進室

【他大学訪問】学生職員として取り組むSDGs（上智学院サステナビリティ推進本部）

学生が関わる大学法人のSDGs推進組織として

私たち環境マネジメント推進室の学生委員と同じように、大学組織の一部に学生が参加し、環境活動を進めている大学があると聞き、上智学院のサステナビリティ推進本部へ取材にうかがいました。

ここでは、取材を通じてわかった組織や活動内容の違いについて、お伝えします。

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▲ 上智大学と大阪公立大学の組織体系と活動内容の違いについて

サステナビリティ推進本部設立の経緯

学校法人上智学院は、カトリックイエズス会によって設立されました。2015年に採択された国際的な達成目標であるSDGsと、これから優先的に取り組むべき方向性としてイエズス会が2019年に掲げたUAPsに基づき、社会課題解決への貢献を大きな一つの目的とし、2021年度に｢上智学院サステナビリティ推進本部｣が設立されました。

組織について

図に示すように、上智学院サステナビリティ推進本部は、複数の部署を横断する組織として設置されました。事務局には、様々な事務部署の職員が所属しています。また、学生ならではの視点や発想を取り入れるため、上智大学の学生を｢学生職員｣という立場で有償雇用し、ともに活動しています。

学生職員について

学生職員は、｢キャンパス環境改善｣｢企画実施｣｢情報発信｣の３チームに分かれSDGsの達成のため様々な活動をおこなっています。キャンパス環境改善チームはウォーターサーバーを設置し、マイボトル持参の推進や学内のアクセシビリティ向上の取組などをおこない、企画実施チームでは著名人を招いたSDGs講習会などの企画をおこなうことで、サステナビリティ推進本部の学内での認知度や評価の向上に努めています。情報発信チームでは、私たちと同じように、上智学院の教育・研究社会貢献に関する｢サステナビリティレポート｣において、学生職員も記事執筆に参画しています。

学生職員原田さまの声

原田さまが所属する情報発信チームは、学内外を問わずサステナビリティ推進に係る上智の取り組みについて積極的な情報発信をされており、公式メディアの運用によるSDGsの啓発やSDGsレポートの作成をおこなっています。情報発信は、その成果を実感することが難しい活動ですが、実際に、原田さまたちの広報活動で学生職員の存在を知り、｢学生職員になりたい！｣というモチベーションのもと、上智大学に入学してきた学生さんの声をきいて、成果を実感でき、うれしかったそうです。　

また、有償雇用であることについては、モチベーションの向上だけでなく、｢お金をもらって活動している｣という自覚によって、責任感と使命感をもって業務をおこなうことができていると話していました。

▲取材している様子　(右手前が原田さま)

学生コメント

サステナビリティ推進本部設立の経緯について

上智大学の学生職員の活動は、企画から実施まで、その多くを学生の皆さまが担われています。また、そのどれもが、規模やインパクトの大きいものです。何をするにしても、学校法人全体でSDGsを本気で達成していこうという共通の意識が感じられたほか、サステナビリティ推進本部内に複数の事務部署の職員が所属していることで、関係する部署との連携がとりやすく、実施までの障害が少ないのではないかと感じました。

本学の環境マネジメント推進の今後へむけて

本学の環境マネジメント推進室では、学生が有志の｢学生委員｣として、環境報告書を作成することにとどまっています。環境活動に関する取材を学生がおこなうことで得られた新しい知見や学びを、ただ報告書にまとめるだけで、本当に環境問題の解決に貢献できているのでしょうか。

環境マネジメント推進室は、法人の横断組織ではありませんし、本法人には、まだ環境憲章もありません。

また、学生ならではの視点から環境報告書を作成することは大変意義のある取り組みです。しかし、有志での活動のため、特定の学生に作業の負担がかかり、学修や研究、課外活動の時間を犠牲にしている状況も生じています。

この取り組みを持続可能にしていくためにも、一部の学生のやりがいや使命感だけに頼るのではなく、環境マネジメント推進室の学生委員も、活動日や時間等を固定したパートタイム職員としての有償雇用の仕組みができればよいのではないかと感じました。

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