統合生理学とは
21世紀の初頭(2001年)に哺乳動物の遺伝子の総数は3万あまりに過ぎないことが明らかとなりました。これだけの遺伝子でどうやって複雑な動物が作られ、さらにそれらがいかに巧妙に「機能」しているのでしょうか?ヒトゲノムの全容が解明されたとはいえ、生命の本質の追究の道はまだまだ果てしなく続いています。
生理学の目的は細胞、組織、生体といった様々なレベルで「機能」を解明することです。あらゆる細胞・組織は絶妙のコンビネーションで働き、呼吸、循環、消化吸収、排泄といった生理機能を営んでおり、それら生理機能は、動物の運動やコミュニケーション、さらにはヒトの精神活動にまで結びつけることができます。この絶妙のコンビネーションは、神経系・内分泌系・免疫系とそれらの相互作用により司られています。統合生理学教室ではいかにして生理機能が「統合」されているかの解明を目指しています。