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2023年4月3日

ニャマニニウイルスの封入体に関する論文がInternational Journal of Molecular Sciences誌に公開されました!

ニャマニニウイルスの封入体に関する論文が公開されました。

Nyamanini Virus Nucleoprotein and Phosphoprotein Organize Viral Inclusion Bodies That Associate with Host Biomolecular Condensates in the Nucleus

Yuya Hirai and Masayuki Horie*

本論文は、モノネガウイルス目ニャミウイルス科ニャウイルス属のニャマニニウイルス(Nyamanini virus: NYMV)の封入体に関する論文です。NYMVは細胞核で転写・複製を行う数少ないRNAウイルスの一種です。多くのモノネガウイルスは、感染細胞において「封入体」と呼ばれるウイルスタンパク質や核酸が凝縮された構造物を形成します。しかし、細胞核内で複製を行うモノネガウイルスは非常に稀であるため、核内ウイルス封入体に関しては未解明な点が多く存在しています。

本研究ではNYMVが形成する封入体に関する観察を行い、NYMV感染細胞において細胞核内にリング状(2次元でリング状なのでおそらく球状?)の特徴的な封入体が形成されることがわかりました。また、NYMVのNとPという2つのタンパク質を細胞で発現させることによって、封入体様構造物を再構成することができました。さらに、細胞核内構造物である核スペックルが、NYMVの封入体あるいは、NとPの共発現によって再構成される封入体様構造物へとリクルートされることがわかりました。これらの封入体の特徴はモノネガウイルスの中でも非常に特異的であり、本研究によって得られた知見は、核内複製型モノネガウイルスの複製機構やウイルス-宿主間相互作用の解明の一助となると考えられます。