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2024年8月8日

日本のマダニにおけるヒト病原性ベイジナイロウイルスの疫学調査に関する岸本らの論文が、Ticks and Tick-borne Diseases誌に掲載されました!

日本のマダニにおけるヒト病原性ベイジナイロウイルスの疫学調査に関する岸本らの論文が、Ticks and Tick-borne Diseases誌に掲載されました!

A wide distribution of Beiji nairoviruses and related viruses in Ixodes ticks in Japan.

Mai Kishimoto, Yukari Itakura, Koshiro Tabata, Rika Komagome, Hiroki Yamaguchi, Kohei Ogasawara, Ryo Nakao, Yongjin Qiu, Kozue Sato, Hiroki Kawabata, Masahiro Kajihara, Naota Monma, Junji Seto, Asako Shigeno, Masayuki Horie, Michihito Sasaki, William W Hall, Hirofumi Sawa, Yasuko Orba, Keita Matsuno

 

ブニヤウイルス目ナイロウイルス科に属するベイジナイロウイルス(BJNV)は、2021年に中国で発見されたウイルスで、ダニ刺咬後の発熱患者100症例以上から検出されています。しかし、BJNVはこれまで中国およびロシアのみでしか検出されておらず、他の地域における分布は調査されていませんでした。

本研究では、日本のマダニからBJNVを初めて検出し、北海道および本州の山岳地帯に生息するマダニがBJNVとその近縁ウイルスを保有していることを明らかにしました。検出されたベイジナイロ近縁ウイルスの一部は新種のウイルスでした。また、日本と中国のBJNVは塩基配列が96%以上一致していること、系統樹上で単系統ではないことから、日本とユーラシア大陸の間でBJNVの移動が複数回生じた可能性が示唆されました。 

本研究によって得られた知見から、今後日本でヒトや動物も含めたBJNVの継続的な疫学調査が必要であると考えられます。

なお、本研究は、北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の松野啓太准教授、大場靖子教授らのグループとの共同研究です。