栄養素輸送体の制御機構
栄養素を輸送するトランスポーターの制御機構
植物は根で栄養素(ミネラル)を吸収し、体内を運んで利用しています。各ミネラルは植物の成長に必要ですが、多すぎる蓄積は毒になります。植物は、多種の輸送体 (トランスポーター) をさまざまな細胞の特定の膜コンパートメントに適量配置することで効率よくミネラルを運んでいます。私たちは、ホウ素 (ホウ酸) トランスポーターを発見し、それらが細胞の特定の側の細胞膜に偏って局在することや、ホウ酸濃度の上昇に応答してエンドサイトーシスにより分解されることなどを明らかにしてきました。現在はこれらの現象の分子メカニズムについて、蛍光タンパク質を利用したトランスポーターやバイオセンサーのライブイメージングなど、"観る"ことを重視した研究を展開し理解を進めています。基礎研究の成果を生かし、ミネラル利用効率の高い植物や有害元素の吸収を低減した植物の分子育種にも取り組んでいます。
トランスセプターに
よるホウ素センシング
Yoshinari et al.
The Plant Cell
大阪府大プレスリリース
(2020年12月16日)
植物の生長調節 研究ノート
(2021年12月21日)
ホウ酸チャネルの
偏在メカニズム
Wang et al.
The Plant Cell
大阪府大プレスリリース
(2017年3月27日)
ホウ素利用と
輸送体の進化
生命金属科学
ニュースレター10
(2020年7月1日)
植物における生命金属と
有害金属の動態
(ホウ素、鉄、有害金属)
生命金属科学 研究最前線
ビデオシリーズ4
(2021年8月19日)